シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
分析化学実験
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Experiment in Analytical Chemistry
授業コード Class code
9972518
科目番号 Course number
72CHEXP102

教員名
井手本 康、湯浅 真、板垣 昌幸、酒井 秀樹、坂井 教郎、有光 晃二、四反田 功、寺島 千晶、中山 泰生、石田 健人、荒川 京介、渡辺 日香里
Instructor

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
曜日時限
金曜3限、金曜4限、金曜5限、金曜6限
Class hours

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 先端化学科

Department of Pure and Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
実験

Experiment
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

概要 Description
化学分析の基礎となる定量分析,重量分析,吸光分析を中心とした内容の実験を行う.
目的 Objectives
化学分析の方法を学習すると同時に,化学の諸分野の研究に必要な基礎的実験手法および論理的思考力を身につける.また分析値の再現性,ばらつき,誤差などを実測することで,定量分析の土台となる基礎的なデータ処理手法を習得する.
本学科のカリキュラム・ポリシーにおける「基本的な操作の会得と基礎学力の習得」に該当する科目である.
到達目標 Outcomes
1.分析器具の適切な使用方法を習得できる.
2.基礎的な定性分析,定量分析,重量分析,吸光分析手法を習得できる.
3.分析操作に必要なデータ処理手法を習得できる.
4.分析値の再現性,ばらつき,誤差などを考慮した実験レポートを作成できるようになる.
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門技術(実験技術と考察力)/論理構成力・横断的思考力・課題発見力/教養・倫理観・コミュニケーション力
履修上の注意 Course notes prerequisites
前期に開講される化学実験を受講しておくこと.
本実験は,今後履修する全ての実験の基礎となるため必ず履修すること.
ケガや事故を予防するために,事前の体調管理にも気をつけ,適切な服装(保護メガネ・白衣・デッキシューズの着用)で実験に臨むこと.
実験室内への荷物の持ち込みは必要最低限とし,実験台は常に整理整頓するように心がけ,集中して実験に取り組むこと.
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work/プレゼンテーション Presentation/実験 Experiments
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準備学習・復習 Preparation and review
毎回の実験にあたっては,教科書をもとに実験ノートを作成すること.適宜,参考書等を活用して内容(実験ノート)の充実を図るとともに,実験の原理を理解しておくことが必須である.実験後はデータの解析を行い,実験の目的・原理・方法(操作)・結果・考察を網羅したレポートを作成する.
成績評価方法 Performance grading policy
平常点(予習状況・小テスト・実験態度・レポート提出の状況)(50%)とレポート内容(50%)による総合評価.ただし, 既定回数分のレポートがすべて提出されていることを前提とする.

なお,本実験の評価は,「決められた授業時間内の実験参加および主体的実験の実施」かつ「実験で得られた観察および結果をレポートとして期日までに提出すること」の条件を満たすことを前提としている.
従って,やむを得ない事情を除き「著しい遅刻や無断欠席の場合」あるいは「すべてのレポートを期日までに提出しない場合」は評価不能とし単位の取得はできない
 
[フィードバックの方法]
初回のレポートについて添削し, 履修者に返却・講評する. 履修者は、講評に基づき加筆・修正し, 再度提出する.
また全実験テーマにおいて, 内容不十分のレポートと判断された場合は, 修正点をアドバイスした上でレポートを返却し, 再提出を指示する.
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
総合化学実験(上),総合化学実験編集委員会編,DTP出版,2008,ISBN:9784862111128
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
「研究のためのセーフティサイエンスガイド これだけは知っておこう」,東京理科大学安全教育企画委員会編,朝倉書店,2012,ISBN:9784254102543
「基礎教育分析化学」奥谷忠雄,河嶌拓治,保母敏行,本水昌二著,東京教学社,2022,ISBN:9784808230326

授業計画 Class plan
下記の実験項目の内,7は個人で,3〜6,8〜12はグループ単位(2〜3人)で実施する.

1.ガイダンス・安全講習
分析化学実験の目的・履修上の注意・レポートの書き方を学習する.また,実験で使用する器具や危険物等の取り扱いについて学習する.
  
2. 実験データの取扱
分析化学実験においては,実験データの定量的な取り扱いが極めて重要である.ここでは実験誤差の取り扱い方に関する学習を行うと同時に,分析化学の基礎となる様々な測定原理を学習する.

3.ガスクロマトグラフィー
低級アルコール混合試料と混合試料中に含まれていると予想される標準品(純物質)について,ガスクロマトグラフで保持時間を測定・比較し,混合成分を同定することにより,ガスクロマトグラフィーにおける定性分析の方法を学ぶ.また1−ブタノールとエタノールの混合液中のエタノールを定量することにより,ガスクロマトグラフィーにおける定量法の基礎を習得する.

4.有機試薬による鉄鋼中のニッケルの定量
アンモニア弱アルカリ性のニッケルイオンを含む水溶液にジメチルグリオキシムを加え,生成した沈殿による重量分析を行うと共に,恒量操作も学ぶ.

5.イオン交換クロマトグラフィー
イオン分離の実験を行うことによって,イオン交換クロマトグラフィーの原理と手法,吸着現象,錯体形成とpHとの関係について学ぶ.

6.溶媒抽出分離分析
二つの溶け合わない溶媒間の分配平衡にある溶質を中和滴定により定量し,それぞれの相内の溶質の会合や解離に関する情報を得る.

7.電子計算機による実験データ処理
コンピューターを用いて,実験データの処理を効率良く行う手法を習得する.まず,表計算ソフト(Excel)の基本的な使い方を学ぶ.さらに,Excelを用いた実験データの統計処理,グラフ化,および最小自乗法を用いた解析の実習を行う.

8.pH電極(プロトンセンサー)による中和滴定1
pHメーターを用い,強酸による弱塩基の滴定曲線を作成する.これにより,滴定曲線,当量点の決定法,理論曲線との比較,弱塩基のpKaの算出法について学ぶ.

9.中和滴定2(NaOH混合溶液の定量)
Winkler法を用いて,水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの同時定量を中和滴定法により行い,標定法,指示薬,当量計算など容量分析について学ぶ.

10.吸光光度分析によるセメント中の鉄の定量
phenを発色試薬として,吸光度測定により,鉄の標準溶液を用いて検量線を作成する.次にこの検量線を用いて,セメント中の鉄の含有量を決定する.

11.水の硬度定量(EDTAによるCa,Mgの定量)
キレート試薬による選択滴定法を用いて,水中に含まれるイオンの量を定量し,水の硬度を決定する.これにより,キレート滴定法の原理と水の硬度について理解を深める.

12.酸化還元滴定
シュウ酸ナトリウムを標準溶液とした過マンガン酸カリウムの標定,さらにはヨウ素滴定法を利用したチオ硫酸ナトリウム溶液の標定を行うことで,酸化還元滴定の実際を学ぶ.

13.理解度の確認と解説

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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Microsoft Excel

備考 Remarks