シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生物科学特別講義4
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Lecture in Biological Science 4
授業コード Class code
9964109
科目番号 Course number
64BIZZZ306

教員名
峯木 茂、早瀬 仁則、武村 政春、市川 寛子、中村 岳史、今井 亮三、和田 直之
Instructor
Naoyuki WADA, Ryozo IMAI, Masaharu TAKEMURA, Takeshi NAKAMURA, Hiroko ICHIKAWA, Shigeru MINEKI, Hironori HAYASE

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
2023, 2nd semester
曜日時限
月曜4限、月曜5限
Class hours
Monday, 4-5 periods

開講学科・専攻 Department
創域理工学部 生命生物科学科

Department of Applied Biological Science, Faculty of Science and Technology
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

概要 Description
応用生物科学の研究は,社会の様々な課題の解決と密接に関わり合っている。本講義では,産業技術研究所の連携大学院担当教員(創域理工学研究科生命生物科学専攻所属),および本学各学科で実際に社会的課題に取り組んでいる教員により,それぞれの研究課題について基礎から応用までを概説する。


目的 Objectives
社会的課題に力点を置いた応用生物科学研究について専門の研究者の取り組みについて学び,それぞれの重要性を理解する。
到達目標 Outcomes
それぞれの講義内容の要旨について説明でき,また講義担当者による課題に対して取り組むことで,研究の意義や重要性を理解し,説明できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門基礎能力/専門応用能力
履修上の注意 Course notes prerequisites
・この科目と教職科目が時間割上重なった場合には、3年次または4年次のどちらかで履修して下さい。
・成績評価基準については,初回講義の時に説明するので,必ず出席して下さい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test
-

準備学習・復習 Preparation and review
オムニバス形式の授業なので,準備学習は求めない。
講義後は,各回の講義内容について,それぞれの分野の現状と発展について復習すること。
成績評価方法 Performance grading policy
授業に臨む姿勢、レポート、試験等を総合して評価します。
なお,授業に臨む姿勢に問題がある,レポートなど各教員による課題への取り組みが不十分とみなされる,などと判断される場合は,単位認定されません。評価の基準については初回講義の時に説明するので,必ず出席して下さい。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
授業中に資料を配布する。

授業計画 Class plan
講義担当
今井亮三先生(農研機構)
武村政春先生(教養教育研究院)
早瀬仁則先生(創域理工学部機械工学科)
中村岳史先生(生命医科学研究所)
市川寛子先生(教養教育研究院)
峯木茂先生(創域理工学部生命生物科学科)  

9/18 和田オリエンテーション
9/25 2回分    市川
10/2 2回分    武村
10/9(予備日)
10/16 2回分    峯木
10/23 2回分    今井
10/30 2回分    今井
11/6(予備日)
11/13 2回分    中村
11/20 2回分    早瀬
11/27以降 予備日
(予備日にも講義が入る場合があるので,受講者は月曜日4-5時限に予定を入れないこと)


【講義内容】
第0回 和田によるオリエンテーション。

第1-2回 市川 寛子(教養教育研究院)
第1回 心理計測(概論)
ヒトの心を計測するには、いま何を感じているかを言葉で言わせる内観報告だけでなく、
脳波や視線計測などの生理指標、あるいは他者に対する接近・回避などの顕在化する行動を計測することも有効である。
本講義ではさまざまな計測指標と、それによって得られた心理学の知見を紹介する。

第2回 心理計測(実践)
前回講義をふまえ、実際に計測を体験する。


第3-4回 武村政春(教養教育研究院)
第3回 巨大ウイルス総論
 21世紀に入ってから、それまでのウイルスとは構造、ゲノムなどいくつかの点でより複雑な二本鎖DNAウイルス「巨大ウイルス」が世界中から分離されている。巨大ウイルスとはどのような特徴を有するウイルスで、それまでのウイルスとは何が違うのか? そしてその進化的意義とは何か? これらの概要について理解し、説明できるようにする。

第4回 巨大ウイルス各論
 武村らにより近年、日本の水環境から分離された巨大ウイルスがある。ここではそのうち「Medusavirus(メドゥーサウイルス)」について取り上げる。このウイルスの帰属はまだ公式に決定されてはいないが、フルセットのヒストン遺伝子を持つこと、宿主の細胞核で複製するなどこれまでの巨大ウイルスにはない特徴を有することから、新科「メドゥーサウイルス科」をつくると考えられている。メドゥーサウイルスとはいったい何者か? 最先端の巨大ウイルス研究と共に、その内容を理解し、説明できるようにする。



第5-6回 峯木 茂(本学科元教授)
第5回 環境汚染物質の微生物による分解
主に有機物の燃焼時に発生する多環芳香族炭化水素(PAH)の分解菌、そのなかでもピレン資化性菌に焦点を当ててその単離と性質、資化性細菌のピレン分解に関与する酵素タンパク質群、および関連遺伝子群のクローニングと発現について理解し、説明できる。

第6回 市販ナノ粒子製品の環境影響 〜細菌への毒性について〜
トナー、カーボンブラックなど各種ナノ粒子製品のグラム陽性菌と陰性菌の生育への影響、細菌への暴露によるタンパク質発現への影響、および毒性の一原因について理解し、説明できる。



第7-8回 中村岳史(本学生命医科学研究所)
第7回 神経細胞の軸索再生とその分子的基盤
末梢神経の軸索が損傷を受けても時間が経てば再生するが、ヒトを含む哺乳類の中枢神経の軸索は再生しないと信じられてきた。近年、再生に関わる複数の因子が見出され、それらを組み合わせることで中枢神経の軸索再生を可能にする道筋が見えてきている。本講義では分子基盤を中心にその概略を説明する。

第9回 神経変性疾患とその発症の分子メカニズム
神経変性疾患の代表例としてアルツハイマー病をとりあげて、その病因論を概説する。現在のアルツハイマー病の研究と治療法開発の主流はβアミロイド仮説であり、アミロイドの産生、凝集、伝播などについて分子メカニズムを中心に説明する。



第9-12回 今井亮三(農研機構)
以下の項目を4回に分けて講義します。
1.植物ホルモンの分子生物学1
内生の化合物により植物の生長や分化がどの様にコントロールされるのか?植物ホルモンの働きを分子、細胞レベルで解説します.近年,植物ホルモン研究の進展はめざましく,その分子レベルの働きが細かく分かってきました.講義シリーズ全体として,各ホルモンの生合成,輸送,認識,シグナル伝達等の分子機構広く解説します.植物ホルモンの働きから植物を理解できるようにすることが目標です.

2. 植物ホルモンの分子生物学2
植物は気温や土壌水分など周囲の物理的環境の影響を受けながら生長します。環境の変化に対しては敏感に反応して遺伝子発現を変化させます。この時に植物ホルモンが大きく関わっています。また、病害菌の感染や、害虫の食害を受けてもそれを跳ね除けようとする時もホルモンが関与します。植物ホルモンが関与する生理現象について、遺伝子発現とシグナル伝達の側面から解説します。

3.植物のバイオテクノロジー(ゲノム編集技術)
ゲノム編集技術は植物の育種において有効な技術として利用されることが期待されています。遺伝子組換え技術を使ったいわゆる遺伝子組換え作物とゲノム編集技術を使ったゲノム編集作物の作出法の違いを理解し、正しい知識を身につけます。ゲノム編集技術を用いること将来どのようなことが可能になるのかついても理解を深めます。最新の成果の実例を用いて学習します。

4.植物科学におけるトピックス研究
植物科学において大きなインパクトを与えた最近の論文からその研究内容を紹介します。



第13-14回 早瀬 仁則(本学創域理工学部機械工学科)
微細加工・マイクロ流体デバイス
第13回 半導体集積回路を作るために発達してきた微細加工技術について概説する。
第14回 微細加工技術によりマイクロ流路を作り、この流路に血液を流すことで大きさ、硬さといった物理特性の違いにより希少細胞を分離する我々の研究を紹介する。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
講義は毎週ではないこと,また講義日程が変更になる場合があります。
講義日程については,後期開始前にCLASSまたは6号館BS事務室前の掲示板で確認して下さい。