![]() 教員名 : 伊吹 友秀
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
生命倫理学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Bioethics
授業コード Class code
9960322
科目番号 Course number
教員名
伊吹 友秀
Instructor
IBUKI, Tomohide
開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023/1st
曜日時限
火曜4限
Class hours
Tuesday 4
開講学科・専攻 Department
創域理工学部(一般教養科目)
A course of liberal arts, the Faculty of Science and Technology 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面授業 On-site class
*感染症の流行状況などに応じて適宜変更となる可能性がある 概要 Description
「命の終わり」や「命の始まり」、あるいは、「命のあり方」について、人は有史以来多くの思索を繰り広げてきました。これらの「人の死はどうあるべきか?」、「人の生はどうあるべきか?」、「われわれはどのように生きるべきか?」といった普遍的な問いは、現代においても重要な問題であり続けています。生命倫理学とは、これらの人(場合によっては人以外も含めて)の生命にかかわる倫理的な問題、すなわち、命にかかわるどうあるべきか、どうするべきかを考える学問と言えます。20世紀以降、医学や生命科学の発展に伴って、われわれは多くの生命倫理的なジレンマや問題に直面するようになりました。たとえば、延命治療技術の進展は、「どのような状態であれ生命は延伸させるべきなのか?」という問いをわれわれに投げかけ、さらには、「人は望めば自分の生命を終わらせることが許されるべきか?」といった問いにまで発展しています。他方で、生殖補助医療の進歩は、今まで子供を望めなかったようなカップルにも自分たちの子どもを抱くチャンスを与えると同時に、「どのような人々が生殖補助技術の利用を許されるべきか?」とか「血の繋がった子どもを求めるためならばどのような手段でも許されるべきか?」といった今まで人類が考えてこなかったような問題にまでわれわれを直面させています。
本講義では、これらの現代社会に生きるわれわれが直面する生や死にかかわるどうするべきか、どうあるべきかの問題、すなわち生命倫理の諸問題について、受講者一人一人が自分の問題としてこれらに向き合い、その解決について一人一人が自らの意見を出していけるようにすることを最終的な目的としています。そのために、現代の生命倫理の諸議論について、体系的に学び、そこで立ち現れてくる問題に一人一人が向き合っていくことで、生命倫理学という一つの学問体系を構築していきたいと考えています。特に生命倫理学は学問の成り立ち上、学際的な学問領域であることが強調されており、文理融合的な学問であるとも言われています。そのため、本講義では、各々の受講生は自分のバックグラウンドについても十分に活かしながら、現代の生命倫理的な問題に取り組んでほしいと考えています。 本講義はカリキュラム・ポリシーにある「国際性、コミュニケーション能力、課題発見・解決力、論理的・批判的思考力、キャリア形成力、倫理観を養う内容を含む科目」に資する講義になるものと考えております。また、教養教育の編成方針の内、 自然・人間・社会を幅広く俯瞰できる能力、 論理的・批判的思考力、国際性に係る能力の涵養を目的とした講義となっています。 目的 Objectives
現代の生命倫理学上の諸問題について、問題の所在を把握し、それらに関する学問的な議論を十分に理解したうえで、各人なりの答えを探していく能力を身に着けること
到達目標 Outcomes
・現代の生命倫理学上の諸問題について知識として問題の所在を把握する
・それらの問題について、学問的にどのような議論が展開されてきたのかを理解する ・先行する諸議論を十分理解したうえで、それらの問題に対して、各人が自分のバックグラウンドも活かしながら各人なりの答えを導いていく ・それら自分の見解について、文章を使って十分に表現できるようになる 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
MA:基礎学力(諸分野の知識)/基礎学力(横断的俯瞰能力)/研究者倫理 PH:先端物理学に関する基礎学力および 科学倫理・環境科学に関する理解 IS:教養 BS:専門基礎能力 AR:基礎教養能力 CA:論理構成力・横断的思考力・課題発見力/教養・倫理観・コミュニケーション力 EE:技術者倫理を理解する能力 IE:教養学力 ME:一般教養・基礎学力/語学/コミュニケーション/国際的な視野/倫理 CV:多面的な素養
履修上の注意 Course notes prerequisites
第一回の講義が終了した時点で、履修希望者が教室の収容人数を超えたと判断した場合には、履修者の抽選を行います。初回講義に登録されている履修者の中から抽選を行いますので、履修を希望する場合は、必ず第一回の講義終了時刻までに履修登録を行って下さい。初回講義での抽選の結果は、履修申告確認・変更期間に、CLASSを確認してください。当選者は抽選対象科目が登録されており、落選者は抽選対象科目が登録されず、空きコマになっています。なお、抽選を行う場合、他学科履修は認められません。
【第一回の講義後に抽選を行う場合】 ●当選者 当選した場合、どのような事情があっても後から履修登録を取り消すことはできません。 熟慮した上で履修登録するように気をつけてください。 ●落選者 落選した場合、当該授業を履修し単位を修得することはできませんが、履修申告確認・変更期間に他の講義に履修登録をやり直すことができます。ただし、初回で履修抽選の行われた講義には履修登録ができませんので、2回目の授業に必ず出席し、担当の講師に履修可能であるか確認するようにしてください。 アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/-
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準備学習・復習 Preparation and review
毎回の授業には、授業内で取り組む小レポートが課されます。授業内においては、この毎回の課題に応えることで、様々な環境倫理の問題について考えてもらいます。また、各回の課題についての皆さんの見解は、次の講義の冒頭にまとめて紹介しますので、それらを通じて同じ学生の意見にも広く耳を傾けてください。
なお、授業後にはその授業のレジュメを配布する予定ですので、適宜それらを見直しながら理解を深めていき、自分のノートをまとめていくようにしてください。 また、必要や各人の関心に応じて各回で紹介する参考文献を読了するようにしてください。 成績評価方法 Performance grading policy
毎回の講義の参加態度(小レポート含む)が40%、期末テストが60%で成績評価をします。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
・松原洋子、伊吹友秀編、『生命倫理のレポート・論文を書く』、東京大学出版
- MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
参考書籍等については講義内で随時紹介していく
授業計画 Class plan
第1回 生命倫理学とは何なのか?①:”生命倫理(学)”の専門家はいない!?
第2回 生命倫理学と倫理学:”生命倫理学の中の倫理学”と”倫理学の中の生命倫理学” 第3回 生の終わりに関する生命倫理①:延命治療を”しないこと”と”やめること” 第4回 生の終わりに関する生命倫理②:自分の命を終わらせることは許されるか 第5回 生の終わりに関する生命倫理③:脳の死と人の死と 第6回 生の終わりと始まりの交わるところ①:誰かの死(?)と誰かの生がつながるところ 第7回 生の終わりと始まりの交わるところ②:生まれる前に終わるいのち 第8回 生の始まりに関する生命倫理①:人はどのような生まれ方をしようと人なのか 第9回 生の始まりに関する生命倫理②:生まれ方の多様化と家族の多様化 第10回 生の始まりに関する生命倫理③:よりよい子どもを”選ぶ”ことと”創る”こと 第11回 生のあり方に関する生命倫理①:改造人間を作ることは許されるのか 第12回 生のあり方に関する生命倫理②:いのちを使った研究をするということ 第13回 生のあり方に関する生命倫理③:人とキメラとロボット 第14回 生命倫理学とは何なのか?②:誰が”生命倫理(学)”の専門家たりうるか 第15回 まとめと振り返り *なお、受講者の関心や習熟度に応じて進行等が変化する場合がある 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
省庁の生命倫理に関する技術参与、研究倫理コンサルタント、倫理審査委員会委員の経験を活かし倫理について講義する
教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
本講義では、各人からの質問を対面でもオンラインでも随時受け付けており、それらを奨励しています。わからないことや、納得のいかないところ、あるいは、自分の意見に対する教員の見解も含めて、聞きたいことは積極的に教員に質問してください。
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