シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
モデリング理論
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Theory of Modeling
授業コード Class code
994632C
科目番号 Course number
46MAAPM301

教員名
池口 徹
Instructor
Professor Tohru Ikeguchi

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
1st Semester, 2022
曜日時限
水曜5限
Class hours

開講学科・専攻 Department
工学部 情報工学科

Department of Information and Computer Technology, Faculty of Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

概要 Description
まず始めに、線形とはなにか、非線形とはなにかについて話をします。特に、システムの状態が時間発展と共に変化する系(力学系という)がどのような振る舞うのかを学びます。次に、カオス現象の存在とその特徴を解説します。また、複雑ネットワーク理論とよばれる近年注目される新しい複雑現象の解析理論についても解説します。これらの概念は、近年注目されているビッグデータ解析には必要不可欠な知識です。
目的 Objectives
自然界に存在する種々の複雑現象 (例: 日々の天気の変化,地震の発生,経済指標変化などの時間とともに変化する現象,人と人の繋がり方(とその変化),ネットワーク上での情報の伝播,感染症の広がり方などのネットワーク上での現象) を知るための重要な概念である非線形ダイナミクスと複雑ネットワークについて、その基本的な知識を得ることが目的です。

本講義の内容は,現在注目されているデータサイエンスにとっても非常に重要な内容です.

情報工学科のディプロマポリシーに定める「情報工学に必要な基礎学力と専門知識」、「自然・人間・社会に係る幅広い教養を修得し、情報工学分野に限らず横断的にものごとを俯瞰する能力」を身につけるための科目です。
到達目標 Outcomes
非線形ダイナミクス、カオス、同期、複雑ネットワークについて、自らの言葉で説明できるようになること。そして、これらの非線形現象、複雑現象の重要性を理解できるようになること。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門分野の応用知識(選択必修科目、実験、演習科目、卒業研究)
履修上の注意 Course notes prerequisites
情報工学科開講科目の「線形代数」、「微分積分学」、「離散数学」 (他学部・他学科の場合はこれらに相当する数学系科目) を履修していること。単位取得は履修の条件とはしないが、単位取得していない場合は履修を認めないことがある。

また、この講義の履修条件ではないが、関係する内容が頻繁に出現するため、後期開講の生体情報工学を履修される場合はこの講義も履修しておくとよい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay
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準備学習・復習 Preparation and review
非線形ダイナミカルシステムの学習を通じて、1年次にて学んだ線形代数・解析学に関する内容がどのように繋がるのか、さらにはなぜこれらの数学基礎科目を学ぶことが重要なのかを知ることができます。これらの復習も行っておいてください。

なお、情報工学実験3の課題1は複雑ネットワーク入門となっており、この講義でも議論する内容となっていますので、ぜひ受講してください。

成績評価方法 Performance grading policy
最終評価は、数回の宿題、最終試験 により総合的に評価します。最終試験では、A4サイズ1枚の手書きメモの持ち込みを可とします。毎回の授業参加度も考慮する場合もあります (コメント用紙の提出による)。評価の詳細は,第1回目の講義時に改めて説明します。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
必要に応じて紹介します。

授業計画 Class plan
授業計画は以下の通りですが、以下の記載では、第何回目に何をやるかという方式では表現していません。その理由は、受講される皆さんの理解度,毎回の話題に応じて、講義内容や進度を適応的に変えることが重要であると考えているからです。実際の授業展開は、毎回の講義が始まる前日までに、講義担当者の講義サポートページに示すようにします。
講義サポートページのURLは初回講義時に連絡します。

また、講義サポートページからは、過去のこの講義の授業展開も参照することができるので、おおよその進度を推測してもらえると思います。#LINK(http://www.hisenkei.net/~tohru/Lectures/)

1.イントロダクション
 ◯講義の進め方について
 ◯評価方法などについて
 ◯講義の概要について(非線形とは、ダイナミクスとは、ネットワークとは)

2.差分方程式
 ◯線形な差分方程式と非線形な差分方程式
 ◯固定点と安定性
 ◯周期解と安定性

3.カオスとは
 ◯決定論と確率論
 ◯カオス学の歴史

4.分岐入門
 ◯ロジスティック写像の分岐
 ◯トランスクリティカル分岐
 ◯周期倍分岐

5.非線形ダイナミカルシステムと同期現象
 ◯同期とはなにか,同期でないものとはなにか.
 ◯同期の種類
 ◯周期的なシステムの同期
 ◯カオス的なシステムの同期
 ◯ノイズ同期
 ◯同期とその応用

6.複雑ネットワーク
 ◯多数の素子が結合する
 ◯グラフ理論の歴史
 ◯規則的なネットワーク
 ◯ランダムネットワーク
 ◯ネットワークで考える
 ◯スモールワールドネットワーク
 ◯スケールフリーネットワーク
 ◯ネットワーク上の非線形ダイナミクス

7.まとめ
 ◯この講義のまとめ
 ◯非線形ダイナミカルシステム, 複雑ネットワーク理論の周辺に関する最新の話題および研究動向

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks