シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
量子論と統計力学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Quantum Theory and Statistical Mechanics
授業コード Class code
994533W
科目番号 Course number
45BAZZZ221

教員名
橋爪 洋一郎
Instructor
橋爪洋一郎

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023年度前期
曜日時限
月曜5限
Class hours
月曜5限

開講学科・専攻 Department
工学部 機械工学科

Department of Mechanical Engineering, Faculty of Engineering
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format

概要 Description
最先端のものつくりの基盤を支える量子力学と統計力学の基礎について学ぶ.基本的な概念を理解するとともに、いくつかの具体的な問題を解決できるようになる.
目的 Objectives
量子力学と統計力学の基礎的な考え方と取扱い方について習得することを目的とする.
到達目標 Outcomes
1.量子論と統計力学の基本的な概念が説明できるようになる.
2.箱型ポテンシャル問題や,2準位多体系の物理量についての取扱いができるようになる.
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門基礎力
履修上の注意 Course notes prerequisites
基幹基礎科目である基礎数学A,B,Cおよび演習と物理学1,2を習得してることが望ましい.
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
-
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準備学習・復習 Preparation and review
教科書・参考図書を参照して準備学習・復習を行うこと.自習内容を自主レポートとして提出することも歓迎する.
成績評価方法 Performance grading policy
主に試験およびレポートによって評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
畠山温『量子力学』(NBS 日評ベーシック・シリーズ)日本評論社, 2017
小田垣孝『エッセンシャル 統計力学』裳華房,2017

授業計画 Class plan
1.ガイダンス,ブラケット
  内容:受講ガイダンスを行う.また,量子力学の取扱いに必要なヒルベルト空間論の初歩としてブラケット表記について習得する.(参考図書:「量子力学」第8章)
 
2.固有値と固有ベクトル・固有関数
  内容:固有値と固有ベクトル・固有関数について理解し,簡単な場合について求められるようになる.(参考図書:「量子力学」第9,10章)
 
3.確率解釈・シュレーディンガー方程式・観測
  内容:ボルンの確率解釈に基づいて,シュレーディンガー方程式を説明できるようになる.さらに射影測定としての観測論の基礎を理解する.(参考図書:「量子力学」第2章,第3章)
 
4.定常状態のシュレーディンガー方程式
  内容:時間に依存しない場合のシュレーディンガー方程式を導く.また,ハミルトニアンが時間に依存しない場合の時間依存性が指数関数であることを理解する.(参考図書:「量子力学」第4章)

5.時間によらないシュレーディンガー方程式を解く:井戸型ポテンシャル
  内容:1次元井戸型ポテンシャルについて、シュレーディンガー方程式の解き方を習得する.(参考図書:「量子力学」第5章)

6.時間によらないシュレディンガー方程式を解く:調和振動子型ポテンシャル  
  内容:1次元調和振動子型ポテンシャルについて、シュレーディンガー方程式の解き方を習得する.(参考図書:「量子力学」第6章)

7.スピンの基礎と量子コンピュータ入門
  内容:スピンについての基礎的な議論の仕方を理解する.また,量子力学に基づいた計算技術の基本概念について理解する.(テキスト指定なし)

8.熱力学と温度・エントロピー・自由エネルギー
  内容:統計力学を理解する上で必要な熱力学概念を復習し,エントロピーについてよく理解する.(テキスト指定なし)

9.多粒子系の統計分布
  内容:等重率の原理や,ボルツマンの関係式について理解し,カノニカル分布を導出できるようになる.(参考図書:「エッセンシャル統計力学」第1,2,3章)

10.2準位系の統計力学
  内容:2準位系に対して様々なアプローチをする.特に,複数の方法でショットキー比熱が導出できるようになる.(参考図書:「エッセンシャル統計力学」第2,3章の一部)

11.調和振動子系の統計力学(進捗状況によって調整の可能性あり)
  内容:調和振動子系の比熱を求められるようになる.デバイ理論への拡張を行い,低温での特性やデュロン・プティ則について説明できるようになる.(参考図書:「エッセンシャル統計力学」3.5節および6.5節)

12.ゴム弾性の統計力学
  内容:ゴム弾性の理論について,簡単な1次元鎖状系を用いて理解する.(参考図書:「エッセンシャル統計力学」4.2.3節)

13.相転移の統計力学入門
  内容:ランダウの現象論によって2次相転移とヒステリシスについて描くことができるようになる.また,ファンデルワールスの相転移理論によって気体と液体の違いが説明できるようになる.(参考図書:「エッセンシャル統計力学」第8章)

14.量子論と統計力学の歴史とこれから
  内容:前期量子論から量子力学にたどり着いた歴史と統計力学の発展を概観して,将来の機械工学へのつながりについて,各自の見解が持てるようになる.(参考図書:「量子力学」第1章,「エッセンシャル統計力学」第7章 他)

15.到達度評価(レポート予定)
  内容:全体の到達度を評価する. 

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
理解度に応じて講義の進行に多少の差異が生じる場合もある