![]() 教員名 : 伊村 芳郎
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理化学基礎
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Fundamental Physical Chemistry
授業コード Class code
994233V
科目番号 Course number
42CHPHC101
教員名
伊村 芳郎
Instructor
Yoshiro Imura
開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
2023 Second Semester
曜日時限
水曜2限、水曜4限
Class hours
Wednesday 2nd and 4th Periods
開講学科・専攻 Department
工学部 工業化学科
Department of Industrial Chemistry, Faculty of Engineering 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義/演習
Lecture/Seminar 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面授業
概要 Description
物理化学は,あらゆる化学現象とそれに関連した多くの現象に理論的な基礎を与え、化学分野に存在する基本問題をより深く、統一的に理解する学問です。3年生までに学ぶ物理化学の中で、巨視的な系を扱う熱力学(基礎物理化学、物理化学1)、原子・分子のような微視的な系を扱う量子化学(物理化学2)および巨視的な系と微視的な系を結びつける統計熱力学は最も重要な学問です。本講義では,熱力学の導入部分を講義するが、2年生で学ぶ物理化学1に繋がりますので、基礎を固めるように演習も課します。
目的 Objectives
熱力学の基礎である第一法則および第二法則を理解し、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーおよびエントロピーの算出できる能力を養う。本学科のディプロマ・ポリシーに定める「工業化学分野に必要な基礎学力と専門知識」を身に付けるための科目である。
到達目標 Outcomes
1 気体の状態方程式について理解する。
2 熱力学的諸量の定義が理解する。 3 等温可逆過程および非可逆過程における仕事、熱、内部エネルギー、エンタルピーの計算ができる。 4 また断熱可逆および非可逆過程の仕事、熱、内部エネルギー、エンタルピーなどが計算できる。 5 様々な系のエントロピーが求めることができる。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門分野の基礎知識/学習意欲/問題解決能力
履修上の注意 Course notes prerequisites
理解できない部分は、他の物理化学の教科書にも目を通してください。別の視点から記載されたものを読むと理解できる場合が多いです。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習として、教科書を十分に読んで、自分で理解できる内容と、わからない部分を明確化することが重要です。また、復習としては、関連する章末問題を自分で解き、理解を深めるようにして下さい。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価試験80点、課題20点で総合的に評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
アトキンス 物理化学(上)
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
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授業計画 Class plan
1 授業概要と導入部
(準備学習)教科書のトピックB エネルギーとトピック1A 完全気体の部分を読み、エネルギーの単位および完全気体について再確認する[3時間] 内容:様々なエネルギー単位やエネルギーの均等配分の概念が理解でき、エネルギーの単位変換ができるようになる。また完全気体の諸性質について再確認できる。 2 気体の性質1 (準備学習)教科書のトピック1B 気体の運動論モデルの部分を読み、気体分子運動論の物理的解釈を確認する。[1時間] 内容:気体の分子運動論モデルの概念について理解ができ、分子の根平均二乗速さが求められるようになる。またマックスウェル分布について理解でき、分子の平均の速さと最確の速さが求められるようになる。 (復習)気体の圧力と分子の根平均二乗速さが算出できる。[2時間] 3 気体の性質2 (準備学習)教科書のトピック1C 実在気体部分を読み、圧縮因子とビリアル係数について確認する。[2時間] 内容:気体分子の衝突頻度や平均自由行程が求められるようになる。また、実在気体、分子間力、ビリアル状態方程式および臨界温度について理解できる。 4 気体の性質3 (準備学習)教科書のトピック1C 実在気体のファンデルワールス状態方程式について確認する。[1時間] 内容:ファンデルワールス式とその係数の物理化学的な意味、および対応状態の原理について理解でき、ファンデルワールス式から臨界定数を求められるようになる (復習)臨界定数をファンデルワールス状態方程式のパラメーターで算出できる。[2時間] 5 熱力学第1法則・概念1 (準備学習)教科書のトピックス2Aの内部エネルギーの部分を読み、仕事・熱・エネルギーについて確認する。[1時間] 内容:熱力学で取り扱う系(開放系、閉鎖系、孤立系)の概念、エネルギー・熱・仕事間の交換について理解できる。また、内部エネルギーの定義およびエネルギー保存則について理解できる。 (復習)内部エネルギーの分子論的解釈が説明できる。[1時間] 6 熱力学第1法則・概念2 (準備学習)膨張の仕事について確認する。[1時間] 内容:内部エネルギーと仕事と熱の関係について理解できる。また、完全気体が等温条件下で膨張(自由膨張、一定圧下の膨張、可逆膨張)した時の仕事が計算できるようになる。 (復習)気体の一定圧力下の膨張、等温可逆膨張の仕事が計算できる。[2時間] 7 熱力学第1法則・概念3 (準備学習)教科書のトピックス2Bのエンタルピーとトピックス2Bの熱化学の部分を読み、高校で学んだ熱化学方程式を復習し、エンタルピーについて確認する。[2時間] 内容:エンタルピー・定容熱容量・定圧熱容量の定義、内部エネルギーとエンタルピーの関係について理解できる。また、完全気体の定容熱容量と定圧熱容量との差が求められるようになる。 (復習)様々な系のエンタルピーが計算できる。[2時間] 8 熱力学第1法則・概念4 (準備学習)教科書のトピックス2Eの断熱変化の部分を読み、断熱過程と等温過程の相違について確認する。[1時間] 内容:完全気体の断熱可逆膨張における温度と体積あるいは圧力と体積の関係が理解できる。断熱条件で可逆および不可逆膨張した系の温度、仕事、圧力が計算できるようになる。また標準エンタルピーおよび標準生成エンタルピーについて習得できる。 (復習)可逆過程と非可逆過程の断熱過程の仕事、内部エネルギーおよびエンタルピーが計算できる。[2時間] 9 熱力学第1法則・方法論1 (準備学習)教科書のトピックス2Dの状態関数と完全微分を読み、状態関数と経路関数の相違について確認する。[1時間] 内容:状態関数と経路関数の概念について理解できるようになる。また内部エネルギーの偏導関数の導出、変換ができるようになる。 (復習)偏導関数を理解している。[2時間] 10 熱力学第1法則・方法論2 内容:定圧における内部エネルギーの変化から膨張率の導出、エンタルピーの温度変化から等温圧縮率やジュール−トムソン係数が求められるようになる。 (復習)定圧における内部エネルギーの変化を導出できる。[2時間] 11 熱力学第1法則・方法論3 内容:ジュール−トムソン効果、等温ジュール−トムソン係数、気体の液化および逆転温度について理解できる。 (復習)ジュールトムソン係数や等エンタルピー過程での気体の温度変化が算出できる。[2時間] 12 熱力学第2法則:概念1 (準備学習)教科書のトピックス3Aのエントロピーを読み、エントロピーの定義を確認する。 [2時間] 内容:自発変化の方向、エントロピーの概念およびエントロピーの熱力学定な定義について理解できる。完全気体の等温膨張に対するエントロピー変化が計算できるようになる。 (復習)等温膨張のエントロピーが計算できる。[1時間] 13 熱力学第2法則:概念2 (準備学習)エントロピーが状態関数であることを確認する。 [1時間] 内容:カルノーサイクルを利用してエントロピーが状態関数であることが証明できるようになる。また熱エンジンの効率について理解できる。 (復習)カルノーサイクルの各過程のエントロピーが計算できる。[2時間] 14 熱力学第2法則:概念3 内容:クラウジウスの不等式について理解ができ、相転移におけるエントロピー変化、温度変化を伴う場合のエントロピー変化について計算できるようになる。いろいろな過程のエントロピー変化についても理解できる。 (復習)いろいろな過程のエントロピーが計算できる。[3時間] 15 達成度評価 これまでの理解度を試験により評価する。 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
特になし
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