シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
薬物動態学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Pharmacokinetics
授業コード Class code
993K186
科目番号 Course number
3aMPPHS344

教員名
草森 浩輔、西川 元也
Instructor
Makiya Nishikawa, Kosuke Kusamori

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
曜日時限
月曜1限
Class hours

開講学科・専攻 Department
薬学部

Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

状況によっては以下の形態で実施することもある。
ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format
オンライン授業(同期)/Online (synchronized remote)
オンライン授業(非同期)/Online (asynchronized remote)

概要 Description
薬物動態学とは、薬物が体内に取り込まれた後、体内を巡り、期待された薬効(場合によっては毒性までも)発現してから、最終的に尿などに排泄されるまでの薬物の体内での動きを解明し、その知識を創薬や臨床における薬物投与設計に役立てるものである。
目的 Objectives
基礎的な薬物の吸収、分布、代謝、排泄の知識(3年前期/薬剤学で必修履修)に基づき、まず、薬物動態の速度論的な解析、すなわち血中薬物濃度推移を計算するための基礎理論とデータ解析の方法を習得するとともに、それが臨床における薬物の適正使用に応用されていることを理解する。また、薬物相互作用の原因、その回避方法、臨床現場での実態を理解することや、創薬における非臨床薬物動態試験についても理解する。
到達目標 Outcomes
薬物動態等、上記記載の各項目を十分に理解する。また、必要な薬物動態パラメータを算出することができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
YP:薬剤師の職能の基盤となる専門的な知識と関連する技能/問題発見、解決能力、最先端の医療や科学に関する知識 YM:医薬品の創製に関する研究を遂行するために必要となる基礎学力、技術及び創薬科学、生命薬学に関する専門知識
履修上の注意 Course notes prerequisites
薬物速度論解析については単に理論を理解し、説明できるばかりではなく、実際に重要なパラメータを算出できるまで学習すること。また、薬物相互作用については代表的な薬物名を例示して説明できるようにすることが大切である。

薬剤学(3年前期)の生物薬剤学の内容とは密接に関連するので、併せて学習すること。薬物速度論解析の一部は薬剤学実習(3年後期)でも取り上げる。

なお、講義には、自然対数、常用対数計算が可能な関数電卓を持参すること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
-
-

準備学習・復習 Preparation and review
基本的な知識として、3年前期で履修した薬剤学の知識が必要なので、良く理解して講義に臨むこと。また復習する際は不明な点は教科書や参考書、配布資料などを確認する。

学習簿に記載がある学習時間を満たすように、学生各人で各回の授業前に準備学習(予習)並びに授業後に復習を行うこと。
成績評価方法 Performance grading policy
試験(100%)により評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
林正弘、谷川原祐介 編集「生物薬剤学改訂第3版」(南江堂)ISBN: 978-4-524-40305-9

授業計画 Class plan

第1回(回数)
1
第1回(授業タイトル)
薬物動態の基本概念
第1回(講義形式)
講義
第1回(担当者)
西川 元也
第1回(授業内容)
薬物動態/速度論の概念、薬物の代表的な投与方法(剤形、投与経路)、薬物動態に関わる代表的なパラメータについて解説する。|(授業外学習の指示)薬剤学(3年前期)で学んだ吸収、分布、代謝、排泄について復習すること。
第1回(項目名(SBO))
第1回(項目名(SBOコード))
1. 線形コンパートメントモデルと、関連する薬物動態パラメータ(全身クリアランス、分布容積、消失半減期、生物学的利用能など)の概念を説明できる。
E4-2-1-1
第1回(備考)

第2回(回数)
2
第2回(授業タイトル)
静脈内投与後の薬物濃度推移
第2回(講義形式)
講義
第2回(担当者)
西川 元也
第2回(授業内容)
線形1−コンパートメントモデルに関して、瞬時静注の血中濃度計算、全身クリアランス、生物学的半減期について解説する。|(授業外学習の指示)クリアランス、生物額的半減期の意味を理解すること。
第2回(項目名(SBO))
第2回(項目名(SBOコード))
1. 線形コンパートメントモデルと、関連する薬物動態パラメータ(全身クリアランス、分布容積、消失半減期、生物学的利用能など)の概念を説明できる。
E4-2-1-1
2. 線形1−コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識、技能)
E4-2-1-2
第2回(備考)

第3回(回数)
3
第3回(授業タイトル)
みかけの分布容積と腎クリアランス
第3回(講義形式)
講義
第3回(担当者)
西川 元也
第3回(授業内容)
線形1−コンパートメントモデルに関して、みかけの分布容積と腎クリアランスの計算について解説する。|(授業外学習の指示)分布容積、クリアランスの意味を理解すること。
第3回(項目名(SBO))
第3回(項目名(SBOコード))
2. 線形1−コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識、技能)
E4-2-1-2
第3回(備考)

第4回(回数)
4
第4回(授業タイトル)
経口投与後の薬物血中濃度推移
第4回(講義形式)
講義
第4回(担当者)
西川 元也
第4回(授業内容)
線形1−コンパートメントモデルに関して、経口投与における血中濃度計算について解説する。|(授業外学習の指示)臨床現場での経口投与について理解しておくこと。
第4回(項目名(SBO))
第4回(項目名(SBOコード))
2. 線形1−コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識、技能)
E4-2-1-2
第4回(備考)

第5回(回数)
5
第5回(授業タイトル)
点滴投与後の薬物血中濃度推移
第5回(講義形式)
講義
第5回(担当者)
西川 元也
第5回(授業内容)
線形1−コンパートメントモデルに関して、点滴投与における血中濃度計算について解説する。|(授業外学習の指示)臨床現場での点滴投与について理解しておくこと。
第5回(項目名(SBO))
第5回(項目名(SBOコード))
2. 線形1−コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識、技能)
E4-2-1-2
第5回(備考)

第6回(回数)
6
第6回(授業タイトル)
反復投与後の薬物血中濃度推移
第6回(講義形式)
講義
第6回(担当者)
西川 元也
第6回(授業内容)
線形1−コンパートメントモデルに関して、反復投与における血中濃度計算について解説する。|(授業外学習の指示)臨床現場での反復投与について理解しておくこと。    
第6回(項目名(SBO))
第6回(項目名(SBOコード))
2. 線形1−コンパートメントモデルに基づいた解析ができる(急速静注・経口投与[単回および反復投与]、定速静注)。(知識、技能)
E4-2-1-2
第6回(備考)

第7回(回数)
7
第7回(授業タイトル)
生理学的速度論(1)
第7回(講義形式)
講義
第7回(担当者)
西川 元也
第7回(授業内容)
生理学的速度論に基づく薬物動態解析について解説する。|(授業外学習の指示)クリアランス、生理学的パラメータの意味を理解すること。
第7回(項目名(SBO))
第7回(項目名(SBOコード))
5. 組織クリアランス(肝、腎)および固有クリアランスの意味と、それらの関係について、数式を使って説明できる。
E4-2-1-5
第7回(備考)

第8回(回数)
8
第8回(授業タイトル)
生理学的速度論(2)
第8回(講義形式)
講義、演習(その他)
第8回(担当者)
西川 元也
第8回(授業内容)
薬物の生物学的利用能および初回通過効果、初回通過効果が生物学的利用能にどのように影響するかについて解説する。遺伝的要因、年齢的要因、生理的要因、疾病による薬物速度論パラメータの変動について解説する。薬物代謝酵素の変動要因(誘導、阻害、加齢、SNPsなど)について解説する。|(授業外学習の指示)小腸での膜透過性、消化管内および肝のアベイラビリティから生物学的利用能を計算できるようにする。
第8回(項目名(SBO))
第8回(項目名(SBOコード))
5. 初回通過効果について説明できる。
E4-1-2-5
5. 組織クリアランス(肝、腎)および固有クリアランスの意味と、それらの関係について、数式を使って説明できる。
E4-2-1-5
第8回(備考)

第9回(回数)
9
第9回(授業タイトル)
モーメント解析法
第9回(講義形式)
講義
第9回(担当者)
西川 元也
第9回(授業内容)
モデルに依存しない薬物動態の解析法について解説する。
第9回(項目名(SBO))
第9回(項目名(SBOコード))
4. モーメント解析の意味と、関連するパラメータの計算法について説明できる。
E4-2-1-4
第9回(備考)

第10回(回数)
10
第10回(授業タイトル)
線形と非線形
第10回(講義形式)
講義
第10回(担当者)
西川 元也
第10回(授業内容)
線形コンパートメントモデルと非線形コンパートメントモデルの違い、ならびに非線形性の薬物動態について解説する。全身クリアランス、タンパク結合が非線形性に及ぼす影響について解説する。肝および固有クリアランスについて解説する。|(授業外学習の指示)薬剤学(3年前期)で学んだタンパク結合について復習すること。
第10回(項目名(SBO))
第10回(項目名(SBOコード))
3. 体内動態が非線形性を示す薬物の例を挙げ、非線形モデルに基づいた解析ができる。(知識、技能)
E4-2-1-3
第10回(備考)

第11回(回数)
11
第11回(授業タイトル)
線形2−コンパートメントモデル
第11回(講義形式)
演習(その他)、講義
第11回(担当者)
西川 元也
第11回(授業内容)
線形2−コンパートメントモデルに関して、静脈内投与における血中濃度計算について解説する。
第11回(項目名(SBO))
第11回(項目名(SBOコード))
2. 2-コンパートメントモデルに基づいた薬物速度論解析ができる。(知識・技能)
OCx3165AE4
第11回(備考)

第12回(回数)
12
第12回(授業タイトル)
投与設計とTDM
第12回(講義形式)
講義
第12回(担当者)
西川 元也
第12回(授業内容)
治療薬物モニタリング(TDM)の必要性、意義、薬物血中濃度の代表的な測定法について解説する。
第12回(項目名(SBO))
第12回(項目名(SBOコード))
1. 治療薬物モニタリング(TDM)の意義を説明し、TDM が有効な薬物を列挙できる。
E4-2-2-1
2. TDM を行う際の採血ポイント、試料の取り扱い、測定法について説明できる。
E4-2-2-2
3. 薬物動態パラメータを用いて患者ごとの薬物投与設計ができる。(知識、技能)
E4-2-2-3
4. ポピュレーションファーマコキネティクスの概念と応用について概説できる。
E4-2-2-4
6. 薬物動態学−薬力学解析(PK-PD 解析)について概説できる。
E4-2-1-6
第12回(備考)

第13回(回数)
13
第13回(授業タイトル)
生物学的同等性
第13回(講義形式)
講義
第13回(担当者)
西川 元也
第13回(授業内容)
生物学的同等性について解説する。
第13回(項目名(SBO))
第13回(項目名(SBOコード))
1. 製剤の特性(適用部位、製剤からの薬物の放出性など)を理解した上で、生物学的同等性について説明できる。
E5-2-3-1
第13回(備考)

第14回(回数)
14
第14回(授業タイトル)
薬物相互作用
第14回(講義形式)
講義
第14回(担当者)
西川 元也
第14回(授業内容)
薬物動態(吸収、分布、排泄)に起因する相互作用と、回避のための方法について解説する。|(授業外学習の指示)薬剤学(3年前期)で学んだ吸収、分布、排泄について復習すること。
第14回(項目名(SBO))
第14回(項目名(SBOコード))
4. 薬物の吸収過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
E4-1-2-4
6. 薬物の分布過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
E4-1-3-6
5. 薬物代謝酵素の阻害および誘導のメカニズムと、それらに関連して起こる相互作用について、例を挙げ、説明できる。
E4-1-4-5
5. 薬物の排泄過程における相互作用について例を挙げ、説明できる。
E4-1-5-5
第14回(備考)

第15回(回数)
15
第15回(授業タイトル)
まとめ
第15回(講義形式)
講義
第15回(担当者)
西川 元也
第15回(授業内容)
理解不十分、または重要項目を重点的に復習し、薬物動態を包括的に解説する(筆記試験を含む)。|(授業外学習の指示)これまでの講義内容をよく理解しておく。
第15回(項目名(SBO))
第15回(項目名(SBOコード))
第15回(備考)

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
-
教育用ソフトウェア Educational software
-
-

備考 Remarks
なし