シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
薬剤学
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Pharmaceutics
授業コード Class code
993K180
科目番号 Course number
3aMPPHS341

教員名
山下 親正、西川 元也
Instructor
Makiya Nishikawa, Chikamasa Yamashita

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
曜日時限
火曜2限
Class hours

開講学科・専攻 Department
薬学部

Faculty of Pharmaceutical Sciences
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

状況によっては以下の形態で実施することもある。
ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format
オンライン授業(同期)/Online (synchronized remote)
オンライン授業(非同期)/Online (asynchronized remote)

概要 Description
疾病の診断、治療または予防の目的で医薬品が人体に投与される場合に、標的部位において最適な濃度を維持することが最も効果的でかつ安全性が高く、これを理解する。
目的 Objectives
薬物の体内動態を理解し、最適な投与方法と投与剤形の考究を目的とする。
到達目標 Outcomes
薬剤師を初めとする医療関連分野や薬学に携わる研究者・技術者として、薬剤学の分野の基礎的な知識を修得することができる。 具体的には、医薬品の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)のメカニズムを理解し、さらに体内動態の最適化を達成させるための合理的な使用方法、製剤化の意義と方法に関して必要な物理薬剤学、生物薬剤学の基礎を理解できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
YP:薬剤師の職能の基盤となる専門的な知識と関連する技能/問題発見、解決能力、最先端の医療や科学に関する知識 YM:医薬品の創製に関する研究を遂行するために必要となる基礎学力、技術及び創薬科学、生命薬学に関する専門知識
履修上の注意 Course notes prerequisites
薬剤学関係科目は、薬剤学、薬物動態学、製剤学、ならびに薬剤学実習がある。薬剤学の内容は薬学特有であるため、薬学を学んだ者としての基礎をなすものであり、十分な理解が求められる。薬剤学は、さらに製剤学ならびに薬物動態学として内容が継続され、それぞれ薬剤学の物理化学的な内容と生物学的な内容の深い理解と発展的に履修することになる。投与剤形を学ぶ製剤学と投与後の薬物動態を学ぶ薬物動態学は相互に密接に関連しているため、入門的に薬剤学として両者を同時に学び、その後の専門的理解を目的に薬物動態学と製剤学に分けた履修形態にしてある。少なくとも3分の2以上の講義に出席すること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
-
-

準備学習・復習 Preparation and review
基本的な知識として、2年次までに履修する生物学、物理学関連の知識が必要なので、良く理解して講義に臨むこと。また復習する際は不明な点は教科書や配布資料などを確認する。

学修簿に記載がある学習時間を満たすように、学生各人で各回の授業前に準備学習(予習)並びに授業後に復習を行うこと。
成績評価方法 Performance grading policy
試験(100%)により評価する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
-
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
林 正弘、谷川原祐介 編集「生物薬剤学改訂第3版」(南江堂)ISBN: 978-4-524-40305-9(西川担当分)

橋田 充 監修「図解で学ぶDDS第2版」(じほう)ISBN: 978-4840748889(西川担当分)

Perspective 薬剤学[第3版](京都廣川書店)ISBN:978-4-909197-40-5(山下担当分)

授業計画 Class plan

第1回(回数)
1
第1回(授業タイトル)
総論
第1回(講義形式)
講義
第1回(担当者)
山下 親正
第1回(授業内容)
薬剤学の目的、医薬品開発における薬剤学の位置づけと役割
第1回(項目名(SBO))
第1回(項目名(SBOコード))
第1回(備考)
医薬品開発における薬剤学の位置づけと役割について説明できる。

第2回(回数)
2
第2回(授業タイトル)
粉体科学 (1)
第2回(講義形式)
講義
第2回(担当者)
山下 親正
第2回(授業内容)
固形製剤の製剤化に必要な粉体科学を学ぶ。
第2回(項目名(SBO))
第2回(項目名(SBOコード))
1. 粉体の性質について説明できる。
E5-1-1-1
第2回(備考)
なし。

第3回(回数)
3
第3回(授業タイトル)
粉体科学(2)
第3回(講義形式)
講義
第3回(担当者)
山下 親正
第3回(授業内容)
演習問題を通じて、粉体科学の理解を深める。
第3回(項目名(SBO))
第3回(項目名(SBOコード))
1. 粉体の性質について説明できる。
E5-1-1-1
第3回(備考)
なし。

第4回(回数)
4
第4回(授業タイトル)
拡散と溶解
第4回(講義形式)
講義
第4回(担当者)
山下 親正
第4回(授業内容)
経口剤の崩壊・溶出を理解するために、重要な溶解性の概念について学ぶ。
第4回(項目名(SBO))
第4回(項目名(SBOコード))
2. 結晶(安定形および準安定形)や非晶質、無水物や水和物の性質について説明できる。
E5-1-1-2
3. 固形材料の溶解現象(溶解度、溶解平衡など)や溶解した物質の拡散と溶解速度について説明できる。(C2(2)【①酸・塩基平衡】1.及び【②各種の化学平衡】2.参照)
E5-1-1-3
4. 固形材料の溶解に影響を及ぼす因子(pH や温度など)について説明できる。
E5-1-1-4
5. 固形材料の溶解度や溶解速度を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。
E5-1-1-5
第4回(備考)
なし。

第5回(回数)
5
第5回(授業タイトル)
分散系
第5回(講義形式)
講義
第5回(担当者)
山下 親正
第5回(授業内容)
軟膏剤、クリーム剤、乳剤、リポソーム製剤等の分散系製剤化に必要な物性の理解を深める。
第5回(項目名(SBO))
第5回(項目名(SBOコード))
1. 界面の性質(界面張力、分配平衡、吸着など)や代表的な界面活性剤の種類と性質について説明できる。(C2(2)【②各種の化学平衡】4.参照)
E5-1-3-1
2. 代表的な分散系(分子集合体、コロイド、乳剤、懸濁剤など)を列挙し、その性質について説明できる。
E5-1-3-2
3. 分散した粒子の安定性と分離現象(沈降など)について説明できる。
E5-1-3-3
4. 分散安定性を高める代表的な製剤的手法を列挙し、説明できる。
E5-1-3-4
第5回(備考)
なし。

第6回(回数)
6
第6回(授業タイトル)
DDS(1)
第6回(講義形式)
講義
第6回(担当者)
山下 親正
第6回(授業内容)
ドラッグデリバリーシステム(DDS)の概念、主な実用化されたDDS製剤ついて解説する。
第6回(項目名(SBO))
第6回(項目名(SBOコード))
1. DDS の概念と有用性について説明できる。
E5-3-1-1
2. 代表的なDDS 技術を列挙し、説明できる。(プロドラッグについては、E4(1)【④代謝】4.も参照)
E5-3-1-2
1. コントロールドリリースの概要と意義について説明できる。
E5-3-2-1
2. 投与部位ごとに、代表的なコントロールドリリース技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5-3-2-2
3. コントロールドリリース技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5-3-2-3
第6回(備考)
なし。

第7回(回数)
7
第7回(授業タイトル)
DDS(2)
第7回(講義形式)
講義
第7回(担当者)
山下 親正
第7回(授業内容)
ドラッグデリバリーシステム(DDS)の概念、主な実用化されたDDS製剤ついて解説する。
第7回(項目名(SBO))
第7回(項目名(SBOコード))
1. ターゲティングの概要と意義について説明できる
E5-3-3-1
2. 投与部位ごとに、代表的なターゲティング技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5-3-3-2
3. ターゲティング技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5-3-3-3
1. 吸収改善の概要と意義について説明できる。
E5-3-4-1
2. 投与部位ごとに、代表的な吸収改善技術を列挙し、その特性について説明できる。
E5-3-4-2
3. 吸収改善技術を適用した代表的な医薬品を列挙できる。
E5-3-4-3
第7回(備考)
なし。

第8回(回数)
8
第8回(授業タイトル)
体内動態/生体膜透過
第8回(講義形式)
講義
第8回(担当者)
西川 元也
第8回(授業内容)
薬物の体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と薬効発現の関わり、受動拡散(単純拡散)、促進拡散、能動輸送(膜動輸送も含む)の特徴、薬物の細胞膜輸送に関するトランスポータについて解説する。
第8回(項目名(SBO))
第8回(項目名(SBOコード))
1. 薬物の生体膜透過における単純拡散、促進拡散および能動輸送の特徴を説明できる。
E4-1-1-1
2. 薬物の生体膜透過に関わるトランスポーターの例を挙げ、その特徴と薬物動態における役割を説明できる。
E4-1-1-2
第8回(備考)

第9回(回数)
9
第9回(授業タイトル)
吸収
第9回(講義形式)
講義
第9回(担当者)
西川 元也
第9回(授業内容)
薬物の主な吸収部位、消化管の構造、機能と薬物吸収の関係、非経口投与後の薬物吸収、薬物の吸収に影響する因子について解説する。|(授業外学習の指示)生体膜輸送と密接に関係するので、輸送の形態を考慮しつつ復習すること。
第9回(項目名(SBO))
第9回(項目名(SBOコード))
1. 経口投与された薬物の吸収について説明できる。
E4-1-2-1
2. 非経口的に投与される薬物の吸収について説明できる。
E4-1-2-2
3. 薬物の吸収に影響する因子(薬物の物性、生理学的要因など)を列挙し、説明できる。
E4-1-2-3
1. 製剤の特性(適用部位、製剤からの薬物の放出性など)を理解した上で、生物学的同等性について説明できる。
E5-2-3-1
第9回(備考)

第10回(回数)
10
第10回(授業タイトル)
分布(1)
第10回(講義形式)
講義
第10回(担当者)
西川 元也
第10回(授業内容)
薬物の生体内分布における循環系の重要性、薬物が生体内に取り込まれた後、組織間で濃度差が生じる要因について解説する。薬物の脳移行の機構と血液−脳関門の意義、薬物の胎児への移行の機構と血液−胎盤関門の意義について解説する。|(授業外学習の指示)生体膜輸送と密接に関係するので、輸送の形態を考慮しつつ復習すること。
第10回(項目名(SBO))
第10回(項目名(SBOコード))
1. 薬物が結合する代表的な血漿タンパク質を挙げ、タンパク結合の強い薬物を列挙できる。
E4-1-3-1
4. 血液−組織関門の構造・機能と、薬物の脳や胎児等への移行について説明できる。
E4-1-3-4
5. 薬物のリンパおよび乳汁中への移行について説明できる。
E4-1-3-5
第10回(備考)

第11回(回数)
11
第11回(授業タイトル)
分布(2)
第11回(講義形式)
講義
第11回(担当者)
西川 元也
第11回(授業内容)
薬物の体液中での存在状態(血漿タンパク結合など)を組織への移行と関連づけて解説する。薬物分布の変動要因(血流量、タンパク結合性、分布容積など)について解説する。分布容積が著しく大きい代表的な薬物について解説する。|(授業外学習の指示)生体膜輸送と密接に関係するので、輸送の形態を考慮しつつ復習すること。
第11回(項目名(SBO))
第11回(項目名(SBOコード))
2. 薬物の組織移行性(分布容積)と血漿タンパク結合ならびに組織結合との関係を、定量的に説明できる。
E4-1-3-2
3. 薬物のタンパク結合および結合阻害の測定・解析方法を説明できる。
E4-1-3-3
第11回(備考)

第12回(回数)
12
第12回(授業タイトル)
代謝(1)
第12回(講義形式)
講義
第12回(担当者)
西川 元也
第12回(授業内容)
薬物分子の体内での化学的変化とそれが起こる部位について解説する。薬物代謝が薬効に及ぼす影響、薬物代謝様式とそれに関わる代表的な酵素、シトクロムP-450の構造、性質、反応様式について解説する。
第12回(項目名(SBO))
第12回(項目名(SBOコード))
1. 代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織ならびに細胞内小器官、反応様式について説明できる。
E4-1-4-1
2. 薬物代謝の第Ⅰ相反応(酸化・還元・加水分解)、第Ⅱ相反応(抱合)について、例を挙げて説明できる。
E4-1-4-2
3. 代表的な薬物代謝酵素(分子種)により代謝される薬物を列挙できる。
E4-1-4-3
4. プロドラッグと活性代謝物について、例を挙げて説明できる。
E4-1-4-4
第12回(備考)

第13回(回数)
13
第13回(授業タイトル)
代謝(2)/排泄(1)
第13回(講義形式)
講義
第13回(担当者)
西川 元也
第13回(授業内容)
薬物の酸化反応、還元・加水分解、抱合について解説する。生体内の薬物の主要な排泄経路、腎における排泄機構、腎クリアランス、糸球体ろ過速度について解説する。
第13回(項目名(SBO))
第13回(項目名(SBOコード))
1. 代表的な薬物代謝酵素を列挙し、その代謝反応が起こる組織ならびに細胞内小器官、反応様式について説明できる。
E4-1-4-1
2. 薬物代謝の第Ⅰ相反応(酸化・還元・加水分解)、第Ⅱ相反応(抱合)について、例を挙げて説明できる。
E4-1-4-2
3. 代表的な薬物代謝酵素(分子種)により代謝される薬物を列挙できる。
E4-1-4-3
1. 薬物の尿中排泄機構について説明できる。
E4-1-5-1
2. 腎クリアランスと、糸球体ろ過、分泌、再吸収の関係を定量的に説明できる。
E4-1-5-2
第13回(備考)

第14回(回数)
14
第14回(授業タイトル)
排泄(2)
第14回(講義形式)
講義
第14回(担当者)
西川 元也
第14回(授業内容)
胆汁中排泄、腸肝循環について解説する。唾液・乳汁中への排泄について解説する。尿中排泄率の高い代表的な薬物について解説する。
第14回(項目名(SBO))
第14回(項目名(SBOコード))
3. 代表的な腎排泄型薬物を列挙できる。
E4-1-5-3
4. 薬物の胆汁中排泄と腸肝循環について説明できる。
E4-1-5-4
第14回(備考)

第15回(回数)
15
第15回(授業タイトル)
まとめ
第15回(講義形式)
講義、試験
第15回(担当者)
西川 元也、山下 親正
第15回(授業内容)
これまでの講義のまとめ。授業内試験を含む。
第15回(項目名(SBO))
第15回(項目名(SBOコード))
第15回(備考)
理解不十分、または重要項目を重点的に復習し、薬剤学を包括的に理解できる。|前述の目標達成度を評価する(筆記試験を含む)|(授業外学習の指示)これまでの講義内容をよく理解しておく。 

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
なし。