シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理化学実験 (6l
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Physical Chemistry Laboratory (6l
授業コード Class code
9923B3O
科目番号 Course number
23CHEXP302

教員名
宮﨑 淳、青木 健一
Instructor
Ken'ichi Aoki

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023 / First semester
曜日時限
火曜6限、火曜7限
Class hours
Tuseday 6, 7th Period

開講学科・専攻 Department
理学部第二部 化学科

Department of Chemistry, Faculty of Science Division Ⅱ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
実験

Experiment
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面型授業 / On-site class

概要 Description
物理化学に関連する種々のテーマについて実験を行い、結果の考察、口頭および文書による結果の報告を行う。
目的 Objectives
物理化学的実験技術の習得を行うと共に、実験を通して理論の理解を深め、データの扱い方に習熟することを目的とする。また物理化学は化学現象の原理的解明を重視する分野であるため、解明した内容を他者に伝えることが重要である。口頭および文書による報告の訓練を行うことも目的とする。
到達目標 Outcomes
種々の測定法を習得し、関連する物理化学の理論の理解を深め、PC等を用いたデータ解析技術に習熟する。また、実験結果を的確に他者に口頭で伝達する訓練をすると共に、文書による正確な報告ができるようになることを目的とする。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
基礎専門能力/上位専門能力/実験技術
履修上の注意 Course notes prerequisites
1、必ず予習して実験に臨むこと。
2、実験室内では必ず白衣を着用し、安全メガネを装着すること。
3、第1回目の授業に出席しないと履修を認めない。
4、実験は、自ら率先して行うことが重要である。そのため、欠席・遅刻は厳しく減点する。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay/小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/グループワーク Group work
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準備学習・復習 Preparation and review
行う実験内容について、原理、および必要な数値データ等を文献を利用して調べ、分かりやすい実験計画書を作成しておくこと。(どのような実験とデータ整理を行うのか十分にイメージできるようにしてから実験に参加すること。)また、その日行った実験内容については、良く理解したうえで十分な考察をし、誰が読んでも分かりやすい実験報告書を作成するように心がけること。
成績評価方法 Performance grading policy
レポート 60%
実験計画書 10%
試験 30%

※ 実験中の態度、ディスカッションでの発言・質疑応答、実験ノートの出来・・・などにより加点(減点)を行うことがある。

ただし、以下の通り減点を行う。

遅刻:−3点/回(10分以内)
−5点/回(10〜30分)
   −7点/回(30〜60分)

欠席、または1時間以上の遅刻:−10点/回

レポート提出の遅刻:
・1週間以内の遅刻: 得点(10点満点) x 0.7
・1週間〜2週間の遅刻: 得点(10点満点) x 0.5
・2週間以上の遅刻: 最高3点で評価
・未提出: 欠席と同様(−10点/回)
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
実験テキスト(初回ガイダンス時に配布)

授業計画 Class plan
1   実験のガイダンスと前半の実験の解説  
 この実験を始めるに当たって必要となる事柄および実験を安全に行うための注意に関する説明を行う。また、前半の実験の理論的背景および実験を行う上での操作用の注意とデータ処理についての解説する。

2   液体の蒸気圧(1) 蒸気圧測定  
 トルエンの蒸気圧の温度変化から蒸気圧のエンタルピー変化とエントロピー変化を求める。液体の蒸気圧を,いろいろな温度でRamsay-Youngの装置を用いて動的方法で測定し、Clausius-Clapeyronの式を用いて、蒸発のエンタルピー変化とエントロピー変化を求めさせる。

3   液体の蒸気圧(2) 分子間力の影響  
 水の蒸気圧の温度変化から蒸気圧のエンタルピー変化とエン間力の影響トロピー変化を求める。水と前回のトルエンとの比較から、分子間力が蒸発エンタルピー変化とエントロピー変化に与える影響について検討する。

4   単極電位とDaniel電池の起電力  
 標準銀電極を用いて、銅と亜鉛の電位を測定し、Daniel電池を組み立て、その起電力を測定する。デジタルマルチメーターの使い方を修得させる。また、標準銀電極を用い、KCl溶液を塩橋として、銅と亜鉛の単極電位を測定し、これらの金属の電極から構成されるDaniel電池の起電力を測定させる。そして、単極電位の値から得られるDaniel電池の起電力の計算値と実測地とを比較させる。さらに、各金属の電極電位をNernstの式を用いて計算し、この計算値と実測地についても比較検討させる。

5   強電解質水溶液の部分モル体積 
 溶液中の溶質と溶媒の相互作用は単に物理化学的な興味だけではなく、タンパク質やDNAなどの生化学的機能の解明や、地球化学などでの高温高圧溶液の挙動の解明など、多くの分野での研究にとって非常に重要なテーマである。本実験では強電解質水溶液であるNaCl水溶液とKCl水溶液の部分モル体積を求め、二種類の強電解質水溶液の違いを見いだし、溶質・溶媒相互作用を理解することにある。

6   二原子分子の振動回転スペクトルおよび共役分子の可視吸収スペクトル  
(1)二原子分子の気体の赤外吸収スペクトルを測定し、その回転微細構造を解析することにより、核間距離などの分子に対する知見を得る。
(2)β−カロチンの極大吸収波長を求め、一次元井戸型ポテンシャルモデルを用いて、有効分子長を計算し、電子の軌道と光との相互作用について理解させる。

7 Materials Studioを用いた計算化学演習 
 芳香族分子や共役ポリエン等について、それらの分子構造をMaterials Studioを使った最適化する。また、スペクトル計算を行い、実際のスペクトル(実験データ)との比較を行う。

8  電気伝導度滴定 
 電気伝導度の測定から酸と塩基の中和現象を学ぶ。希塩酸および希酢酸を水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定し、電気伝導度滴定曲線の形の違いから、滴定の各段階における溶液中の各イオンの濃度の変化および各イオン種の電気伝導度に対する寄与の違いを考察させる。また、中和滴定と電気伝導度滴定との違いについても考察させる。

9  アルカリによる酢酸エチルの加水分解 
 酢酸エチルのアルカリによる加水分解速度とその活性化エネルギーを求める。酢酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液を混合し、加水分解反応の進行にともなう溶液の電気伝導度の変化から、二次反応速度定数を求めさせる。異なる温度で求めた反応速度定数のArrheniusプロットから反応の活性化エネルギーを求めさせる。さらに、Eyringの式を用いて、活性化エンタルピーと活性化エントロピーを求めさせる。

10  屈折率 
 いろいろの液体有機化合物の屈折率を測定し、原子屈折と分子屈折に加成性が成り立つことを確かめ、また2成分系(水−エタノール、トルエン−ベンゼンの2つの系)の屈折率と組成の関係について調べる。Abbe屈折計の使い方を習得させる。また、いろいろの液体有機化合物について原子屈折と分子屈折に加成性が成り立つことを確かめさせる。そして、飽和鎖炭化水素系および芳香族炭化水素系それぞれについて、分子量と屈折率との関係をプロットさせ、その関係の違いについて考察させる。さらに、上記2成分系について、屈折率と組成の関係を調べ、2つの系の間での分子間力の違いについて考察させる。

11  相平衡 
 イソプロピルアルコール/ベンゼンの混合溶液について、組成−温度曲線を作成する。蒸留装置を組み立て、イソプロピルアルコールとベンゼンの種々の組成の混合溶液について、その気相と液相のモル分率を、予め求めておいた組成と屈折率との検量線より求めさせる。つぎに、相図を作成し、共沸温度および共沸組成を求めさせる。分子間力と共沸現象との関係について考察させる。

12〜15 まとめと到達度評価  
(1)物理化学実験で学んだこと(原理、実験技術、実験結果など)について総括する。他また、実験レポートの見直しを行う。
(2)(1)を踏まえ、実験内容に関する到達度評価を行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
ChemOffice Professional
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備考 Remarks
★6lクラス以外の方は、特別な事情がない限り、自分のクラスで履修すること。
★初回ガイダンスを無断欠席した場合、原則として履修できません。

その他注意事項
・実験内容が変更される場合は、初回に指示する。
・各実験は4人程度の班単位で行う。
・各班の実験の順番は初回に指示する。