シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
量子力学1A
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Quantum Mechanics 1A
授業コード Class code
9915536
科目番号 Course number
15PHQUM201

教員名
遠山 貴巳
Instructor
Takami Tohyama

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023/ First Semester
曜日時限
金曜3限
Class hours
Friday, 3rd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用物理学科

Department of Applied Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class

概要 Description
原子の大きさ程度のミクロなスケールにおいては1年次に学んだニュートン力学(古典力学)がそのまま適用できず、物理現象は量子力学によって記述される。すべての物質は原子核と電子から成るので、量子力学は物理現象をミクロレベルから理解する上で不可欠の知識である。また、現代の科学技術においては、ナノテクノロジーと呼ばれるミクロスケールの技術が重要性を増しており、応用の為の基礎知識として量子力学は欠かせないものとなっている。
目的 Objectives
量子力学の基礎的知識を身につけ、基本的問題が解けるようになる。本学科のカリキュラム・ポリシーに定める、現代物理学と関連科学技術への理解を深める内容を含む科目である。
到達目標 Outcomes
(1) 古典論の問題点の概略を説明できるようになる。
(2) 1次元井戸型ポテンシャル問題及び階段型ポテンシャル問題が解けるようになる。
(3) 1次元調和振動子問題の概略を説明できるようになる。
(4) 水素原子中の電子の問題の概略を説明できるようになる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
履修上の注意 Course notes prerequisites
(1) 前提とする知識: 力学1A,1B,電磁気学1A,1B,物理数学1A,1B, 数学A, 数学B, 微積分学A, 微積分学B
(2) 講義の進め方: ほぼ教科書に沿って進むので教科書を参考にしながら効率的にノートを取り、講義に集中して欲しい。もちろん復習は不可欠である。
(3) 学習の進め方: 量子力学はこれまで全く馴染みの無い概念が登場する。その概念は数学を用いて表現される。そのため講義に出席して新しい概念・表現を理解しなければならない。新しい概念のため、今まで古典力学で通用した直感が通用しないことがしばしばある。従って復習にも重点を置き、毎回必ず自分で手を動かして数学的な表現を計算してみることが必要である。そうすることで「ミクロの直感」が徐々に身についてゆく。
(4) 量子力学1演習Aの活用: 量子力学を身につけるには解析学や線形代数で学んだ数学がどうしても必要である。また、問題を解くことは量子力学を身につけるために避けて通れない。そのため、必要な数学を用いて問題を解くことができる量子力学1演習を合わせて受講することを強く推奨する。演習を受講することは本講義の到達目標を達成することにつながる。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
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準備学習・復習 Preparation and review
各回、必ず教科書を読んで2時間程度予習してから講義に臨むこと。また、復習に重点を置き、毎回2時間程度必ず自分で手を動かして計算を確認すること。各回ごとの準備学習・復習についてはそのつど指示する。
成績評価方法 Performance grading policy
到達度評価60%、講義への態度(課題提出状況)20%、レポート20%の割合で評価を行う。(比率は目安である)
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
物理学II・丸善出版・9784621302842
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
(1) 教科書より少し高度だが問題が豊富であり、手元におく本として強く推奨する。講義の一部もこの本に沿う部分がある。量子力学1演習Aを受講する際はこの本が役立つ:
 猪木慶治・川合 光 「基礎量子力学」(講談社サイエンティフィク2007) 
(2) 簡潔なまとめと豊富な演習問題。大学院入試のための勉強に役立つ:
 後藤憲一 他編「詳解 理論応用量子力学演習」(共立出版2000)

授業計画 Class plan
1. 古典力学とミクロの世界の力学
 黒体放射、光電効果、コンプトン散乱などの実験事実からエネルギー量子や光量子などの光の波動性と粒子性に基づくが新しい力学の必要性が理解できるようになる。
2. 電子の波動性と物質波
 原子模型、ボーアの仮説、物質の二重性、ド・ブロイの関係式、電子線二重スリット実験などを通じて 電子の波動性と物質波について理解できるようになる。
3. シュレーディンガー方程式(1)
 シュレーディンガー方程式の導入、波動関数と確率解釈、定常状態の波動関数について理解できるようになる。
4. シュレーディンガー方程式(2)
 物理量の期待値と演算子、演算子の交換関係、不確定性原理について理解できるようになる。
5. シュレーディンガー方程式(3)
 波束とエーレンフェストの定理について理解できるようになる。
6. 1次元の問題−束縛状態(1)
 時間を含まない1次元のシュレーディンガー方程式、波動関数の接続条件、無限に深い井戸型ポテンシャルの場合のシュレーディンガー方程式の解について理解できるようになる。
7. 1次元の問題−束縛状態(2)
 有限の深さの井戸型ポテンシャルの場合のシュレーディンガー方程式の解と1次元調和振動子の量子力学について理解できるようになる。
8. 1次元の問題−反射と透過(1)
 階段型ポテンシャルの場合のシュレーディンガー方程式の解について理解できるようになる。
9. 1次元の問題−反射と透過(2)
 有限の幅のポテンシャルの場合のシュレーディンガー方程式の解とトンネル効果について理解できるようになる。
10. 3次元中心力場のシュレーディンガー方程式(1)
 極座標表示のシュレーディンガー方程式について理解できるようになる。
11. 3次元中心力場のシュレーディンガー方程式(2)
 角変数の分離、角度方向の波動方程式について理解できるようになる。
12. 3次元中心力場のシュレーディンガー方程式(3)
 角度方向の波動方程式、球面調和関数について理解できるようになる。
13. 3次元中心力場のシュレーディンガー方程式(4)
 動径方向の波動方程式について理解できるようになる。
14. 元素の電子エネルギー構造と周期律
 水素様原子の波動関数から元素の周期律について理解できるようになる。
15. 到達度評価
 授業における達成度を確認する。その後、授業としてこれまでの内容の総括を行う。

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks