シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
化学総論2
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Lectures on Current Topics in Chemistry2
授業コード Class code
9913338
科目番号 Course number
16UGRES403

教員名
硤合 憲三、築山 光一、藤田 健、鈴木 榮一郎、河合 英敏、高木 慎介、貞清 正彰
Instructor
Koichi Tsukiyama

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
2023 Second Semester 
曜日時限
水曜2限
Class hours
Wednesday 2nd. Period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 応用化学科

Department of Applied Chemistry, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
ブレンド型授業(半数回超をオンライン実施)/Blended format(with 50%-or-more on-site classes)

概要 Description
これまで学んできた化学に関する基礎が、最先端の化学の研究や人間社会にどのように関わっているかを学ぶ。5人の講師の先生方が様々な分野の最新の化学研究のトピックスに関する講義あるいはセミナーを行なう。
目的 Objectives
化学の基礎学力をもとに、社会人基礎力としての問題解決力や職業観・就職意識、倫理観などを習得する。本学部のディプロマ・ポリシーに定める「ますます複雑化する社会情勢の中で、基礎学力を基盤として、現代社会における解決困難な様々な課題に対し、柔軟に応用展開できる力を身に付けた人材」を育成するための科目である。
到達目標 Outcomes
産学官の幅広い分野で活躍する講師陣を招いたオムニバス形式の講義をとおして、各分野における現実的な課題を多面的に学ぶことにより、創造的思考力を身につけ、広い視野に立ったキャリアパスの手がかりを得ることができる。産業界における現状や問題点についての知識を習得することによって、将来就職した場合における問題解決能力や分析力などを獲得することができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
知識実践力/現象解明力/問題解決力
履修上の注意 Course notes prerequisites
各授業の詳細はLETUSで指示しますので必ず確認してください。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文 Essay
-

準備学習・復習 Preparation and review
各担当教員の指示に従って、予習・復習を行うこと。
成績評価方法 Performance grading policy
レポートおよびテストなどにより評価する。詳細は第1回目のガイダンス時に説明する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
-
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
井上晴夫他著、丸善「光化学<1>」
石井邦雄著、羊土社「はじめの一歩の イラスト薬理学」

授業計画 Class plan
各回の講義の詳細についてはLETUSから指示しますので必ず確認してください。

第1回:レーザーと化学反応(1)(築山) 講義形式:対面を予定
レーザー発振が確認されてから既に半世紀が経過した。現在研究用先端光源として軌道放射光(SOR)とレーザー(LASER)が知られている。本講義ではレーザーの発振原理を学び、これらの光源の特徴を理解する。

第2回:レーザーと化学反応(2)(築山) 講義形式:対面を予定
化学反応を微視的に理解しコントロールすることは化学者の夢である。本講義では化学反応の定量的な取り扱いを復習し、次回講義で予定しているレーザーによる化学反応の研究をより深く理解する準備をする。

第3回:レーザーと化学反応(3)(築山) 講義形式:対面を予定
レーザーの出現によって化学反応の研究は著しく進歩した。本講義ではレーザーの化学反応研究への応用を紹介する。超短パルスレーザーや東京理科大学が所有していた赤外自由電子レーザーを利用した研究についても言及する。


第4回:光化学の基礎とその応用(高木)(予定:対面)
なぜ、化学を学ぶのかという根本的な部分から始まり、本講義では「光と物質の相互作用」に焦点をあて、主に量子化学的視点から下記の項目について解説する。
講義形式は全て対面を基本とする。
1) 人間の世界と原子・分子の世界
2) 原子・分子の電子状態
3) 光と物質、吸収と発光
4) 励起状態
5) 励起状態からの失活と反応
6) 光化学
7) 人工光合成などの光化学研究

第5回:光化学の基礎とその応用(高木)(予定:対面)
同上

第6回:光化学の基礎とその応用(高木)(予定:対面)
同上

第7回:創薬と化学(鈴木)(予定:対面)
西洋及び東洋における古典的な疾病治療薬を起点として、今日のゲノム創薬・コンピュータ支援ドラッグデザインに至るまでを概説し、化学が果たすべき重要な役割を学ぶ。  
初回は、特に、染色体研究の進展に基づき、DNAの二重らせんという“化学”構造が明らかになった結果、ヒト及び他生物のゲノム塩基配列の解読が進み、膨大な数のタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列が特定され、他生物のアミノ酸配列類似タンパク質の実験で得た立体構造を元に、ヒト疾患の原因タンパク質(創薬ター ゲット)の予測構造をモデリング出来る時代となっていること、その予測構造をもとに、実験構造の決定を待たずに低分子・中分子サイズの医薬候補分子のコンピュータ上での設計・探索に早期に着手出来るバイオインフォーマティクス手法などが実用に供されていることを学ぶ。

第8回:創薬と化学(鈴木)(予定:対面)
上記に続き、立体構造情報は、低分子・中分子創薬に限らず、日本人の基礎研究に基き直近のCOVID-19のmRNAワクチン開発にも役立ったこと、及び、有用物質の工業生産用酵素の実用プロセスに耐える高機能改変体を設計する上でも役立つことも実証されていること、その何れにおいても、計算科学技術である「立体構造予測と分子間相互作用シミュレーション法」と実験技術である「相互作用界面情報の取得法」などを如何に上手く併用出来るかが成功の鍵となることを学ぶ。

第9回:創薬と化学(鈴木) (予定:対面)
最後に、このような立体構造情報を取得するための実験的手法である、核磁気共鳴(NMR)、質量分析(MS)、X線回折及びそのための結晶化技術、結晶化を要しない極低温電子顕微鏡技術等々の極限的高度化・先端化を目的として、世界中で日夜開発が行われている内容を学ぶ。
また、以上の学びを踏まえて、将来の実社会における行動基準策定の参考にすべく、創薬と酵素高機能化の具体的成功事例について、長年の講師の実体験をもとにリーダーシップの基本を含み化学の目で解説する。

第10回:キラリティー(不斉)の概念と意義(そ合) 
講義形式:非同期遠隔
実像と鏡像の関係にあって重ね合わせることができない異性体は鏡像異性体(エナンチオマー)と呼ばれる。生命を構成するアミノ酸は一方の鏡像異性体(L)であり,生命現象,医農薬香料の研究の上でキラリティー(不斉)の概念は重要である。キラリティーに関してその概念,歴史および表示法について理解できるようになる。

第11回:不斉触媒,特に不斉自己触媒反応の開発(そ合) 
講義形式:非同期遠隔
キラルな化合物は,医農薬,香料分野で極めて重要である。キラル化合物を不斉合成するための不斉触媒の開発,中でもキラル生成物が自己を不斉合成する触媒として作用して自己増殖する不斉自己触媒反応の開発について述べる。本反応では,最初にキラリティーの偏りが僅かでもあれば,反応中に偏りが増幅し,やがては一方の鏡像異性体に到達する。

第12回:不斉自己触媒反応を用いる生物のホモキラリティーの起源の研究(そ合) 
講義形式:非同期遠隔
生物はL-アミノ酸から構成されており,これは生命のホモキラリティーと呼ばれている。L-アミノ酸から構成されるタンパク質にD-アミノ酸が不規則に混入するとタンパク質の構造が変化して酵素作用が発現できず生命は維持できなくなる。最初に如何にして有機化合物が一方の鏡像異性体に至ったのかというホモキラリティーの起源を不斉自己触媒反応を用いて研究を行った例について学ぶ。


第13回:(序章)なぜ宝飾品を身に着けるようになったのか(藤田) 
講義形式:非同期遠隔
(1)色が見える仕組みと、人間の感覚の相関
宝石の持つ金属イオンによる吸収と発光、光源による色調の変化
鉱物により異なる各色の発現理由と、科学的側面
人間の手によって変化を受ける色、反射による影響

第14回:(2)錬金術と考えられた、宝石の処理と合成〜ダイヤモンド編(藤田) 
講義形式:非同期遠隔
歴史から見た「合成・処理」の化学
より自然のモノに近づけるための、たゆまぬ化学的努力
天然と合成、処理と未処理を「看破」し、線引きするための科学的根拠

第15回:(3)宝石の処理と合成〜コランダム編(藤田) 
講義形式:非同期遠隔
自然界で作られる宝石の生成、違いによる特徴
産地による特徴の差異と、産地同定法
非破壊検査による分析の限界と、破壊検査の利用の限界

授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
ChemOffice Professional
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備考 Remarks