![]() 教員名 : 鈴木 克彦
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科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
素粒子物理学 (物理特別講義1)
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Elementary particle physics (物理特別講義1)
授業コード Class code
9912282
科目番号 Course number
12PHEPN303
教員名
鈴木 克彦
Instructor
SUZUKI, Katsuhiko
開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023, First Semester
曜日時限
月曜4限
Class hours
Monday, 4th Period
開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科
Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ 単位数 Course credit
2.0単位
授業の方法 Teaching method
講義
Lecture 外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
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授業の主な実施形態 Main class format
対面授業/On-site class(状況に応じて
オンライン授業(非同期)/Online(asynchronized remote)) 概要 Description
[概要]
原子核物理に引き続き、原子核以下のスケールの物理学を記述することを目的に、4つの力や標準模型に基づいて素粒子の世界を概観する。 この授業では相対論的量子力学の基礎から出発し、ゲージ理論、自発的対称性破れなど現代物理学を構成する上で欠かせない概念を説明する。また、ハドロンの質量や電磁気的な構造、初期宇宙の進化や、クォーク・グルーオン・プラズマ実験などはば広い話題について触れる。 授業は少人数なので基本的には対面で行うが、状況に応じて非同期オンラインで実施する場合もある。 目的 Objectives
素粒子・原子核物理の歴史的発展に沿うとともに、現代物理学の根幹をなす概念について学ぶことを目的とする。つまり ・相対論的力学の初歩的な計算方法を理解する。 ・ゲージ理論や、自発的対称性の破れの考え方を理解する。 ・有限温度・密度系を取扱い相転移の概念を理解し、初期宇宙などに応用する。 が主な柱になる。 本授業は本学科のディプロマ・ポリシー項目2に該当する。 本授業は、カリキュラムポリシーの7に該当する科目である。 またルーブリック評価軸の(3)「専門学力(現代物理学)」に該当する。 到達目標 Outcomes
・相対論的量子力学の初歩を理解し、ディラック方程式の解を導出できる。
・ゲージ変換不変性を仮定してゲージ理論のラグランジアンを導出できる。 ・自発的対称性破れの概念を理解し、簡単な模型を用いてその結果を説明できる。 ・簡単な平均場近似の模型を用いて相転移現象を説明できる。 卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門学力(現代物理学)/問題発見、解決能力
履修上の注意 Course notes prerequisites
量子力学1B,2AB,3A、統計力学1,2、原子核物理は履修済みであること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/ディベート・ディスカッション Debate/Discussion/反転授業 Flipped classroom
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準備学習・復習 Preparation and review
準備学習は必要としないが、授業後の復習を時間をかけて行うこと。特に、提示された課題については提示後2週間以内に提出すること。
成績評価方法 Performance grading policy
授業中の課題やレポート課題の提出について50%, 評価試験の結果を50%で評価し,
合計で60%以上を合格とする。 非同期オンライン授業を実施する場合は、web課題などを持って評価する。 欠席(class入力、質問記入で評価)については減点し、総時間数の1/3を超えた場合は評価を行わない。 学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
N
書誌情報 Bibliographic information
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MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store). https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料 Reference and other materials
毎回の授業資料はletusに掲載されるので、各自ダウンロードして授業に持参すること
ハルツェン・マーチン「クォークとレプトン」(小林・広瀬訳) 授業計画 Class plan
[項目と内容]
1 相対論的量子力学1 Klein-Gordon方程式とDirac方程式の導出を理解する。相対論的な場合における確率解釈の問題について理解する。 [復習]レポート課題:パウリ行列、ディラック行列の交換関係を計算する(1時間) 2 相対論的量子力学2 Dirac方程式における流れの保存則、自由粒子解の導出や負エネルギー解の存在について理解する。 [復習]全角運動演算子とハミルトニアンの交換関係を計算する(1時間) 3 相対論的量子力学3 Hole理論について理解する。 Dirac方程式のガンマ行列による表示、そのLagrangian形式について理解する。 [復習]レポート課題:角運動量の保存、負エネルギー解を求める(1時間) 4 quarkの存在とカラーの必要性 クォーク模型の復習 深非弾性散乱がクォークの実験的証拠となることを理解できる。 カラー量子数の必要性について理由を挙げて説明することができる。 ゲージ対称性の概念について理解する。 [復習]レポート課題:散乱の形状因子の計算(1時間) 5 ゲージ対称性1 ゲージ理論が導入される歴史的経緯について理解する。 電磁気Lagrangianがゲージ不変であることを計算できる。 [復習]ゲージ不変性を破る項についての計算(1時間) 6ゲージ対称性2:量子色力学の性質 非可換ゲージ理論の導出について理解する。 漸近的自由とカラー閉じ込めの概念について理解する。 [復習]レポート課題:非可換ゲージ変換に対する不変性の証明(2時間) 7 現象論的模型:非相対論的模型 非相対論的なシュレディンガー方程式を用いて束縛状態の方程式をかける。 3次元調和振動子ポテンシャルの解の性質を理解する。 実験的な質量スペクトルのおおよそのふるまいを理解する。 [復習]3次元調和振動子の球座標での解を導出(1時間) 8 現象論的模型:相対論的模型 相対論的井戸型ポテンシャルの解について理解する。 双対超伝導機構について理解する。 カラースピン依存力を用いて質量が計算できる。 [復習]レポート課題:微細構造、超微細構造の計算(1時間) 9 対称性の自発的破れとHiggs機構1 ハドロンの質量とクォークの質量の差に関する問題点を理解する。 カイラル対称性について理解する。 秩序と相転移の関係について理解する。 [復習]NJLラグランジアンのカイラル不変性の証明(1時間) 10 対称性の自発的破れとHiggs機構2 シグマ模型を用いてカイラル対称性が自発的に破れるとクォークが質量を持つことを理解する。 ゴールドストーンボソンの概念について理解する。 [復習]線形シグマ模型を用いて相転移を示す。(1時間) 11 対称性の自発的破れとHiggs機構3 Higgs模型のゲージ不変性を示せる。 ゲージ場の質量項が現れる仕組みを理解する。 [復習]レポート課題:Higgs模型の導出(1時間) 12 有限温度・密度下での相転移 ボソン、フェルミオンの自由粒子について状態方程式が計算できる。 相転移に関するGinzburg-Landau理論の基礎を理解する。 温度、密度の条件によってハドロン相がQGPに相転移することを理解する。 [復習]平均場近似の演習(1時間) 13 宇宙の歴史と相転移1 一般相対論の初歩を理解する。 宇宙の膨張を記述するフリードマン方程式を解くことができる。 [復習]状態方程式と宇宙膨張に関する問題を解く(1時間) 14 宇宙の歴史と相転移2 初期宇宙におけるバリオン数の起源について問題点を理解する 電弱相転移とQCD相転移の果たす役割について理解する。 15 将来に残された課題 演習および達成度の確認、解説をおこなう。 [授業外学習の課題] ・南部陽一郎著「クォーク」(ブルーバックス)を読み現代素粒子理論が生まれる流れを理解しておくこと。 授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks
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