シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理数学2B
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Mathematical Physics 2B
授業コード Class code
9912254
科目番号 Course number
12MAPHM202

教員名
豆田 和也、鈴木 克彦
Instructor
SUZUKI, Katsuhiko/ MAMEDA, Kazuya

開講年度学期
2023年度後期
Year/Semester
2023, First Semester
曜日時限
月曜3限、水曜2限
Class hours
Monday 3rd period, Wednesday 2nd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
4.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
ブレンド型授業(半数回以上を対面実施)/Blended format(with 50%-or-more on-site classes)

概要 Description
[概要]
物理数学1A,1B,2Aで学んだ事項を踏まえ、物理数学2Bでは偏微分方程式、変分法など物理学全般において非常に大きな役割を果たす事項や、特殊関数のようにより進んだ実践的な事項についてを学習する。解析力学、電磁気学、量子力学、統計力学などの科目との関連性を強調し、数学的手法がどのような場面で必要になるのかを学ぶ。数学的な論理性を身に着ける一方で、数学が現象の直感的な理解に大きな役割を果たすことを理解する。

この授業は講義と演習を適切に組み合わせる形で進む。演習の際には小テストなども実施し、授業内容の定着を目指す。

対面授業(状況によって同期遠隔)と非同期遠隔授業を組み合わせて実施する。
対面授業を実施する際には、教室収容人数を考慮しながら実施する。授業実施計画については開講後に連絡する。
また、事前講義ビデオを学習後に対面授業で演習を行う反転授業形式で実施する場合もある。

授業中ではletusにアクセスする必要があるので、ノート型PCやタブレットの携帯を必須とする。
目的 Objectives
本授業の目的は基本的に以下の三つの項目について理解することである。
1.物理学で登場する偏微分方程式、特に波動方程式、拡散方程式、ラプラス方程式の解法を理解し、さらに発展した方程式にも解法を応用できる。
2.極値問題の解法としての変分法を理解し、それが物理や関連する自然現象、あるいは経済分野などで非常に重要な役割を果たしていることを理解する。
3.定数係数でない2階線形常微分方程式について、級数展開法を用いて解が得られることを理解し、自然現象のあらゆる場面においてその解が重要な役割を果たすことを理解する。

以上の内容は、ただ単に数学の技法として意味があるだけでなく、背景にある現象をあわせて理解することで、より深い物理を学ぶ上で非常に重要なステップになる。

本授業は本学科のディプロマ・ポリシー項目2に該当する。
本授業は本学科のカリキュラムポリシー項目6に該当する。
また物理学科ルーブリックの評価軸2「専門学力(古典物理学)」に相当する科目である。

到達目標 Outcomes
[到達目標]
・変数分離法を用いて偏微分方程式の解を決定できる。
・積分変換を用いて、偏微分方程式を解くことができる。
・オイラー・ラグランジェ方程式を物理の問題に応用し解を決定できる。
・ラグランジェの未定乗数法を用いて条件付き変分問題を計算できる。
・級数展開法を用いて微分方程式の解を決定できる。
・ルジャンドル多項式、エルミート多項式に関する諸性質を理解し計算できる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門学力(古典物理学)/専門学力(現代物理学)
履修上の注意 Course notes prerequisites
物理数学2Aを必ず履修していること。物理数学1A、1Bを履修していること。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/反転授業 Flipped classroom
-

準備学習・復習 Preparation and review
各回の講義内容については、その都度letusの小テスト機能を用いて課題が出されるので、ビデオにより授業内容を復習しながら行うこと。

ハイフレックス授業で実施される小テストについては、letusを通して返却されるので、各自よく確認して復習を行なうこと。
成績評価方法 Performance grading policy
・達成度を測る試験を2回(偏微分方程式、特殊関数)実施する
・小テスト(変分法)を1回行う
合計を70点満点で換算する。
(それぞれのテストにおいては、基本的に素点で70点以上の得点が必要となる)


・講義のノート提出や課題
・演習の課題・小テスト
を平常点の評価とする。未提出の場合については減点する。

平常点の評価を30点満点で換算する。
課題未提出の回数が、総時間数の1/3を超えた場合は評価を行わない。

以上を合計し60点以上を合格とする。

注意:
評価試験を実施する場合、状況に応じて遠隔での持ち込み可の試験を実施する。
遠隔形式のテストにおいては、zoomとletusを併用する。

履修者は
カメラ付PCとスマートフォン((タブレット)の2つ
または
カメラ付PCのみ、
を用いて実施する。

スマートフォン(タブレット)のみでは実施できないので、その場合は対面でのテスト実施となる。
(あるいはzoomでの面接試験を行なう)
 

[フィードバックの方法]
・演習の小テストはletusを通して返却する。また模範解答についてもletusに掲載する。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
「物理数学2Bテキスト」および「演習テキスト」をletusに掲載するので、各自ダウンロードして授業に持参すること。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials

G.Arfken,「Mathematical Methods for Physicists」(Elsevier)
その他の参考書については授業中に説明する。

授業計画 Class plan
[項目と内容]
1(講義)偏微分方程式と境界値問題
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 物理学に登場する偏微分方程式の導出を理解する。
 境界条件、初期条件について理解する。
[復習]webテスト:差分方程式の極限として偏微分方程式が導かれること。(1時間)

2(演習)さまざまな変微分方程式の導出
物理や他の様々な現象をモデル化し、それらを記述する偏微分方程式を導出できる
小テストの実施

3(講義)偏微分方程式の解法1:モンジュの解法
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 モンジュの解法を理解する。
 波動方程式のダランベールの解の導出、およびその意味を理解する。
[復習]]webテスト:ダランベール解を求め、図示する。(1時間)

4(演習)波動方程式の解境界値問題
 ダランベール解の境界値問題を解くことができる。
[事前学習]演習問題5.5-5.9を解く(2時間)


5(講義)偏微分方程式の解法2:変数分離法
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 変数分離法を用いることができる条件を理解する。
 波動方程式を用いて具体的な計算方法を理解する。
[復習]]webテスト:変数分離の例題計算5.18(1時間)

6(演習)変数分離法
 標準的な変数分離方の計算ができる。
 ラプラス方程式について変数分離方が適用できる。
[復習]2次元ラプラス方程式の解(1時間)

7(講義)偏微分方程式の解法2:変数分離法
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 熱伝導方程式の解法について理解する。
 境界条件の与え方の物理的解釈ができる
 論理的解答の書き方を理解する

8(演習)変数分離法
 熱伝導方程式を様々な境界条件に対して解くことができる。
 非同次項のある拡散方程式に変数分離法を適用できる。
[復習]拡散方程式のレポート課題(1時間)


9(講義)偏微分方程式の解法3:フーリエ・ラプラス変換による解法
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 複数の変数についてフーリエおよびラプラス変換を行うことにより、偏微分方程式を解くことができる。
[復習]]webテスト:ガウス積分を用いた初期条件の決定(1時間)

10(演習):フーリエ・ラプラス変換による解法
 拡散方程式の解を積分変換により決定できる。
[復習レポート課題 (2時間)

11(講義) 畳み込み積分とGreen関数
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けてノートにまとめる(1時間)
 畳み込みの定理を説明できる。
 畳み込み積分を用いて、微分方程式の解を表現できる
 Green関数の意味を理解できる

12(演習)偏微分方程式のまとめ
[事前学習]総合的な演習(2時間)
 達成度の確認を確認し、問題の解説を行う。

13(講義)オイラー方程式とその積分形、極値問題の基本的応用
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 オイラー方程式の積分形が成り立つ条件を理解する。
 フェルマーの原理と屈折の法則の関係を理解する。


14(演習)変分原理とオイラーラグランジェ方程式
 変分問題の例について理解する
 多変数のオイラー方程式が導ける。
[復習]演習問題4.1-4.4

15(講義)オイラー方程式の応用1
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 フェルマーの定理を数学的に表現できる
 オイラー方程式の解を求めることができる。
[復習]フェルマーの定理の計算

16(演習)オイラー方程式の解法
 オイラー方程式の解法について理解し、解を求めることができる。
[事前学習]演習問題4.6,4.8(1時間)

17(講義)オイラー方程式の応用2
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 懸垂曲線、最速降下曲線などについて解法を理解する。
[復習]webテスト:サイクロイドの積分計算(1時間)

18(演習)オイラー方程式の解法、応用
オイラー方程式の解法 
薄膜の面積の問題など物理的な応用問題の計算ができる。
[演習問題]4.10-4.12 (2時間)

19(講義)条件付き変分問題1
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 多変数の極値問題の特徴について理解する
 ラグランジェの未定乗数法の原理を理解する。
 変分問題への適用方法について理解する
[復習]webテスト:例題、演習問題4-12.15(1時間)

20(演習)条件付き変分問題
 簡単な条件付き変分問題(力学など)を計算できる。
 統計力学などへの応用例を理解できる。
[事前学習]演習問題4.15-4.20(2時間)

21(講義)未定乗数法の応用
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 等周問題、統計問題への応用方法を理解し、計算できる。
「復習]webテスト:未定乗数法の文章問題(1時間)

22(演習)変分法のまとめ
 力学への応用,演習問題4-21
 達成度の確認

23(講義)常微分方程式の級数展開による解法
[事前学習]指示されたビデオ講義を受けノートにまとめる。
 級数展開により漸化式を求め級数解を決定できる。
 特異点がある場合指標の意味を理解する。

24(演習)級数展開による解法
 微分方程式の級数解をいくつかの問題について計算できる。
 特異性がある微分方程式において指標を求めることができる。
[事前学習]演習問題6.1-6.5(2時間)


25(講義)具体的な特殊関数:ルジャンドル多項式1
 ルジャンドル関数がヘルムホルツ方程式の解であることを理解する。
 級数展開によりルジャンドル多項式を決定できる
[復習]webテスト:6.8, 漸化式の導出


26 (演習)ルジャンドル多項式
 ルジャンドル多項式の諸性質に関する証明ができる。
 ルジャンドル多項式を含む積分が実行できる。
[事前学習]6.12-6.16(2時間)

27(講義)ルジャンドル多項式2
 母関数の性質について理解する。
 母関数を用いてルジャンドル多項式の漸化式を導ける。
 直交関係を理解する。
[復習]webテスト:Legendre多項式の積分(1時間)


28(演習)エルミート多項式
 エルミートの微分方程式の級数解を決定できる。
 エルミート多項式の漸化式や直交関係を母関数から導出できる。
[事前学習]6,18,6,19(2時間)


29(講義)ベッセル関数
 母関数を用いてベッセル関数を計算できる
 ベッセル関数を含む積分を計算できる。
[復習]webテスト:演習問題6,16,6,20(1時間)


30 特殊関数の章のまとめ
 達成度を確認し、問題の解説を行う。


授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks