シラバス情報

科目授業名称(和文) Name of the subject/class (in Japanese)
物理数学2A
科目授業名称(英文) Name of the subject/class (in English)
Mathematical Physics 2A
授業コード Class code
9912253
科目番号 Course number
12MAPHM201

教員名
豆田 和也、鈴木 克彦
Instructor
SUZUKI, Katsuhiko/ MAMEDA, Kazuya

開講年度学期
2023年度前期
Year/Semester
2023, First Semester
曜日時限
月曜3限、水曜2限
Class hours
Monday 3rd period, Wednesday 2nd period

開講学科・専攻 Department
理学部第一部 物理学科

Department of Physics, Faculty of Science Division Ⅰ
単位数 Course credit
4.0単位
授業の方法 Teaching method
講義

Lecture
外国語のみの科目(使用言語) Course in only foreign languages (languages)
-
授業の主な実施形態 Main class format
ブレンド型授業(半数回以上を対面実施)/Blended format (with 50%-or-more on-site classes)

概要 Description
[概要]
物理数学1A,1Bで学んだ事項を踏まえ、物理数学2Aでは複素積分、デルタ関数、フーリエ・ラプラス変換など物理学全般において非常に大きな役割を果たす事項を学習する。解析力学、電磁気学、量子力学、統計力学などの科目との関連性を強調し、数学的手法がどのような場面で必要になるのかを学ぶ。
数学的な論理性を身に着ける一方で、数学が現象の直感的な理解に大きな役割を果たすことを理解する。

この授業は講義と演習を適切に組み合わせる形で進む。演習の際には小テストなども実施し、授業内容の定着を目指す。

対面授業と非同期遠隔授業を組み合わせて実施する。
演習を実施する際には教室収容人数を考慮しながら行う。授業実施計画については開講後に連絡する。
また、事前講義ビデオを学習後に対面授業で演習を行う反転授業形式で実施する場合もある。

授業中ではletusにアクセスする必要があるので、ノート型PCやタブレットの携帯を必須とする。
目的 Objectives
・新しい概念である留数定理を理解し、それを実数の積分やフーリエ・ラプラス変換に応用できる。
・フーリエ級数、フーリエ・ラプラス変換の意味を理解し、広く物理学、工学に応用できる能力を身に付ける。
ことを目的としている。その基礎となる数学についても可能な限り紹介するとともに、具体的な応用例についても随時取り上げることで、物理現象の中にどのように数学が生かされているかを理解してもらいたい。

本授業は本学科のディプロマ・ポリシー項目2に該当する。
本授業は本学科のカリキュラムポリシー項目6に該当する。
また物理学科ルーブリックの評価軸2「専門学力(古典物理学)」に相当する科目である。

到達目標 Outcomes
・複素数の概念を理解し、解析性とコーシーの積分定理を理解する。
・留数定理を理解し、実数の積分に応用・計算ができる。
・デルタ関数の基本的な積分計算を実行できる。
・フーリエ級数、積分変換の意味を理解し、物理学に応用することができる。
・フーリエ・ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。
卒業認定・学位授与の方針との関係(学部科目のみ)
専門学力(古典物理学)/専門学力(現代物理学)
履修上の注意 Course notes prerequisites
物理数学1A,1Bを履修していること。同時に解析学を履修することが望ましい。
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning)
小テストの実施 Quiz type test/反転授業 Flipped classroom
-

準備学習・復習 Preparation and review
各回の講義内容については、その都度letusの小テスト機能を用いて課題が出されるので、授業内容を復習しながら行うこと。また、演習に際しては事前に指定された問題について予習を行うこと。

対面授業で実施される小テストについては、letusを通して解答用紙が返却されるので、各自よく確認して復習を行なうこと。
成績評価方法 Performance grading policy
<テストでの評価>
・達成度を測る試験を2回(複素積分、積分変換)を対面形式で実施する
・小テスト(デルタ関数)を1回行う
合計を70点満点で換算する。
(それぞれのテストは素点で評価を行うので基本的に70点以上、最低でも60点の得点が必要となる)

<平常点の評価>
・講義のノート提出や課題
・演習の課題・小テスト
を平常点の評価とする。未提出の場合については減点する。

平常点の評価を30点満点で換算する。
課題未提出の回数が、総時間数の1/3を超えた場合は評価を行わない。

以上を合計し60点以上を合格とする。

注意:
遠隔形式でテストを行う場合には、基本的にzoomとletusを併用する。

カメラ付PCとスマートフォン((タブレット)の2つ
または
カメラ付PCのみ、
を用いて実施する。

スマートフォン(タブレット)のみでは実施できないので、その場合は対面でのテストか、zoomによる面接実施で評価を行なう。
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation

教科書 Textbooks/Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N) Textbook used(Y for yes, N for no)
Y
書誌情報 Bibliographic information
「物理数学2Aテキスト」および「演習テキスト」をletusに掲載するので、各自ダウンロードして授業に持参すること。
MyKiTSのURL(教科書販売サイト) URL for MyKiTS(textbook sales site)
教科書および一部の参考書は、MyKiTS (教科書販売サイト) から検索・購入可能です。
It is possible to search for and purchase textbooks and certain reference materials at MyKiTS (online textbook store).
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/​​​

参考書・その他資料 Reference and other materials
参考書としては
G.Arfken,「Mathematical Methods for Physicists」(Elsevier)
その他の参考書は授業中に紹介する。

授業計画 Class plan
[項目と内容]

1
(講義)ガイダンス
複素数の復習とコーシー・リーマンの関係式
[事前学習]複素数について復習する(1時間)
 オイラーの公式、複素数の極座標表示などを理解する。
 複素関数の解析性を理解し、コーシー・リーマンの関係式が導ける。
[復習]複素数の性質についてのwebテスト(1時間)

2
(講義)コーシーの定理
 複素関数の解析性とコーシーの定理の関係を理解する。
 Cauchyの積分公式の導出を理解し、応用ができる。
[復習]コーシーの定理の活用についてのwebテスト(1時間)

3
(演習) 複素数ととコーシー・リーマンの関係式1
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
演習問題1.1-1.5
 基礎的な複素数の計算ができる。
 解析関数の判定ができる。
 実部あるいは虚部を与え、解析性から複素関数を決定できる。


(講義)コーシーの積分表示とローラン展開
 コーシーの積分表示を証明できる。
 特異点の種類について分類できる。
 ローラン展開とテーラー展開の違いについて理解する。
[復習]Lauren展開の基礎問題についてのwebテスト(1時間)


(演習):コーシーの積分表示とローラン展開
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
演習問題1.6-1.8
 コーシーの積分表示を用いてローラン展開の証明ができる。
 特異点の分類ができる。
 簡単な関数について具体的なローラン展開ができる。


(講義)留数定理
 コーシーの定理と留数定理の関係を理解する。
 留数の計算方法を理解する。
 留数の計算ができる。
 留数定理の簡単な応用ができる
[復習]留数定理の基礎問題についてのwebテスト(1時間)


(演習)留数定理
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
 演習問題1.11-1.16
留数定理を用いた積分が具体的に計算できる。


(講義)留数定理の応用1
[事前学習] ビデオ講義を受けて内容をノートにまとめること(2時間)
 留数定理を応用して無限区間の積分ができる。
 留数定理を応用してcos,sinの有理関数の積分法を理解する。
 上記を用いた解答の書き方を理解する。


(演習)留数定理の応用
 演習問題1.11-1.16
留数定理を用いた実数積分が具体的に計算できる。
[復習]授業中解いた演習問題について復習(1時間)


10
(講義)留数定理の応用2
[事前学習] ビデオ講義を受けて内容をノートにまとめること(2時間)
 経路の選び方が特殊な積分について理解する。
 経路上に特異点がある場合の計算方法について理解する。

11
(演習)留数定理の応用
第11回の講義で登場する留数積分について計算できる(主値積分など)
[復習]授業中解いた演習問題について復習(1時間)

12
(講義)デルタ関数の導入、定式化
 デルタ関数の意味を理解し、物理量をデルタ関数で表現できる。
 デルタ関数の定義・次元を理解する。
[復習]デルタ関数の表示についてのwebテスト(1時間)

13
(講義)複素関数のまとめ
 達成度の確認し、問題の解説を行う。

14
(講義)デルタ関数の積分計算
 デルタ関数の定義・次元を理解する。
 一般の関数の極限として、デルタ関数を表示する方法を理解する。
[復習]デルタ関数の積分についてwebテスト(1時間)

15
(演習) デルタ関数の計算
[事前学習]指定された演習問題を解く(3時間)
 演習問題2.1, 2.3-2.6
 デルタ関数を含む具体的な積分が実行できる。

16
(演習)デルタ関数の達成度の確認、問題の解説を行なう


17
(講義)級数展開の一般論
 正規直交性、完全性の意味を理解する。
 ベクトルの線形空間との関係性を理解する
[復習]級数展開の簡単な例についてwebテスト(1時間)

18
(講義)フーリエ級数の導入
[事前学習]指定されたビデオ講義を受けノートにまとめる(2時間)
 フーリエ級数展開を行う意味について理解する。
 フーリエ級数の具体的な計算方法を理解する。
[復習]フーリエ級数についてwebテスト(1時間)

19
(演習)フーリエ級数
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
 演習問題3.1-3.4
 パーセバルの定理
 具体的な周期関数をフーリエ級数展開できる。

20
(講義)フーリエ変換の導入
 周期がない関数についてフーリエ変換が定義できることを理解する。
 簡単な関数についてフーリエ変換ができる。
[復習]演習問題3.5-3.7についてwebテスト(1時間)

21
(演習)フーリエ変換
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
 演習問題3.8-3.12
 具体的な関数をフーリエ変換できる。
 フーリエ変換の物理的解釈ができる。
 パーセバルの定理を理解し、応用できる。

22
(講義)フーリエ変換の微分方程式への応用
[事前学習]指定されたビデオ講義を受けノートにまとめる(2時間)
 1階、2階微分方程式がフーリエ変換を用いて解けることを理解する。
 スペクトル分布について説明できる。
[復習]webテスト(1時間)

23
(演習)フーリエ変換の応用
 演習問題3.13 - 3.14
 具体的な関数のフーリエ、フーリエ逆変換ができる。
 微分方程式をフーリエ変換を用いて解くことができる。
[復習]授業中解いた演習問題について復習(1時間)

24
(講義)ラプラス変換の導入
 発散的振る舞いを、過渡的現象に対してラプラス変換が定義できることを理解する。
 簡単な関数についてラプラス変換、逆変換が計算できる。
[復習]webテスト(1時間)

25
(演習)ラプラス変換の計算
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
ラプラス変換の計算を行うことができる。


26
(講義)フーリエ・ラプラス変換の微分方程式への応用
 過渡的現象に関する微分方程式をラプラス変換を用いて解くことができる。
[復習]webテスト(1時間)

27
(演習)フーリエ・ラプラス変換の微分方程式への応用
 過渡的現象に関する微分方程式をラプラス変換を用いて解くことができる。
[事前学習]指定された演習問題を解く(1時間)
 演習問題3.12-3.17
 微分方程式に適した変換を選択し、解を決定できる。

28
(講義)畳み込み定理と応用
畳み込み定理を理解し、その証明ができる。
畳み込み定理を用いて微分方程式を解くことができる。
[演習]webテスト(1時間)


29
(演習)総合演習
 フーリエ変換、ラプラス変換の計算、および微分方程式への応用を行うことができる。
[復習]テキストの例題を解く(2時間)


30
達成度の確認・解説
理解度を確認する。また、問題について解説を行う。


授業担当者の実務経験 Work experience of the instructor of the class
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教育用ソフトウェア Educational software
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備考 Remarks