• 本科目設置の狙い及び専攻の目的との連関性を踏まえ、専門科目、社会連携科目及び演習科目を履修する上で必要な基盤として、組織と人事に関する知識・実務等について学ぶ。

• 通常、組織と人事は、分けて履修される場合が多いが、実践においては不可分である。そこで、組織構造や人事制度、リーダーシップ、組織運営や文化の醸成まで含む。最近、議論のあるジョブ型の議論、国際比較、また、働き方改革が重視される中で、労働組合の立場も含む。官僚組織、軍隊組織、学校組織、宗教組織、などについても触れる。ゲストスピーカーとして、リクルート人事専門家、企業の人事担当者、労組幹部など招聘する。

• 詳細高度な内容は、イノベーションを創出する組織戦略、イノベーションを創る人事戦略に繫がるほか、R&Dマネジメント、アドバンストリーダーシップなどにも関連する。

• 初回に、自社及び、他の組織例で良いと思われる組織と悪いと思われる組織の3例を挙げてもらい、これを改良コングルエンスモデルに当て嵌め議論する。

• その上で、目的が異なる多様な組織例と人事の一般的な知識を紹介、アカデミアの最新の研究トレンド、伝統的な欧米における経営学での組織論の系譜を俯瞰し、東洋での組織論、更には、ネットワーク科学や熱力学、生物学からの組織論アプローチも比較、上記の3例を、多様なアプローチで比較分析する。

• 有名なケーススタディとGP紹介を行う。最後に、グループワークにおいては、上記3例につき、好きなフレームワーク(組合せでも構わない)を、理由をあげて使い、分析し、改善提案を行う。

• なお、産業組織などのマクロ組織論は、対象とせず、企業産業分析予測等で扱う。

Based on the connection between the purpose of the establishment of this course and the objectives of the major, students are required to learn about organizational and personnel knowledge and practices as a necessary foundation for taking specialized courses, social collaboration courses, and exercise courses.
Typically, organizational and personnel courses are often taken separately, but they are inseparable in practice. Therefore, it includes organizational structure, personnel systems, leadership, organizational management, and the development of organizational culture. Recent discussions include job type discussions, international comparisons, and emphasis on work-style reforms, including the perspective of labor unions. It also touches on bureaucratic organizations, military organizations, school organizations, religious organizations, and more. Guest speakers such as recruitment personnel specialists, corporate personnel managers, and labor union executives will be invited.
Detailed and advanced content is related to organizational strategies for creating innovation, personnel strategies for creating innovation, R&D management, and advanced leadership.
In the first session, students will be asked to provide three examples of good and bad organizations, both their own and those of other organizations, and discuss how they can be improved through the Congruence Model.
In addition, a variety of organizational examples with different purposes and general personnel knowledge will be introduced, along with the latest research trends in academia, an overview of organizational theory in traditional Western management studies, organizational theory in the East, and comparisons of organizational theory approaches from network science, thermodynamics, and biology. The three examples mentioned above will be analyzed and compared using various approaches.
Famous case studies and GP introductions will also be conducted. Finally, in group work, students will use their preferred frameworks (combinations are also acceptable) to analyze and propose improvements for the three examples mentioned above, and provide reasons for their choices.
It should be noted that macro organizational theory such as industrial organization will not be covered as it is addressed in the analysis and prediction of business and industry.

• 本科目は基盤科目であり、ディプロマ・ポリシーの1〜3の⼒をつける。
• 教育領域におけるCEO／COO、CHRO、企業家、その他CXO／ステークホルダー的知見を身につける。組織と人事に関して、欧米の伝統的経営学や心理学だけでなく、東洋的な古典や更に自然科学も踏まえた多様なアプローチを俯瞰した上で、最適なアプローチを選び、自社(全社と自部門)、取引先やライバル等につき分析、具体的提案を行い、運営できる。
• グラデュエーションペーパーで、関連する先行研究を評価でき、仮説検証に有益な知見を身に着け、ビジネス企画提案では、具体的で実践的な提案ができる

• 組織人事についての先行研究を俯瞰、新たな問、仮説を打ち出せる。
• 組織と人事に関して、多様なアプローチを俯瞰した上で、自社(全社と自部門)、取引先やライバル等につき分析、組織構造や人事制度について、経営や戦略に応じた具体的提案を行い、運営できる。
• 人事担当役員となった場合も対応できる。

• 内容の⼀部を変更する場合がある。
• 関連科目：企業産業分析予測、イノベーションを創る人事戦略、アドバンストリーダーシップ、実践CXOケーススタディなど
• 広く、組織に関する先行研究をサーベイする必要から、MOTでベースとしている、研究イノベーション学会等に入会することが望ましい。

• 準備学習が必要な授業回は、1週間前を目処に、事前に関連資料を配信する。配信資料を手掛かりに広く議論できる準備を行うこと。
• レポート宿題を出す場合は次回に紹介しコメントを行う

• 授業への貢献５０％
• レポート５０％

• 組織戦略の考え方(沼上　ちくま新書)

• 組織の経営学　リチャード・ダフト（ダイヤモンド）

• 組織論レビューⅢ　Ⅳ(組織学会)

• 人事と組織の経済学　実践編(ラジアー、ギブス)

• 経営戦略概論(波頭亮)

• 下記は、色々な本が出ているため、何でもよい

• 公務員試験問題集

• 貞観提要

• 韓非子

• 六韜三略

• ネットワーク科学

Concepts of Organizational Strategy by Chikuma Shinsho (Numagami)
Organizational Management by Richard Daft (Diamond)
Review of Organizational Theory III and IV (Organizational Society)
Human Resources and Organizational Economics: Practical Edition by Rajeev K. Rai and David E. Gibbs
Introduction to Management Strategy by Ryo Hatou
For the following, any book is fine due to the variety of publications:
Collection of Public Servant Examination Questions
The Summary of the Age of Perfection
Han Feizi
Six Secret Teachings and Three Strategies
Network Science

【授業形態】理論40：ケース10：グループ討論40：ゲスト10：校外学習00（％）

【授業計画】

6月15日【導入】概要、教員パネル討論、学生の所属企業の組織の紹介など　若林、石橋、日戸

講義の全体像の概要。教員によるパネル討論、参加学生に自己紹介を兼ね、自社の組織について紹介コメント、会社だけでなく、広く良い組織と悪い組織についてあげてもらう。

6月22日【理論】様々な組織の紹介　若林

組織には、企業でも従来のピラミッドやマトリックスだけでなく、ホラクラシー等、多様化し、大企業とスタートアップ等の規模やフェーズ、営業やR&D等の目的でも異なる。コンソーシアムもある。企業以外にも、官僚組織、軍事組織、労働組合、教育組織、宗教組織、ヤクザ組織等、多様であり、それぞれの差異を、改良したコングルエンスモデルに当て嵌め、議論する。

6月29日【理論】組織人事論概要とアカデミアの研究トレンド紹介　若林

組織と人事の概要を「組織戦略の考え方」(沼上)を用いて解説、組織論レビューⅢⅣを用いて、最近のアカデミックの研究トレンドを紹介し議論

7月6日 【理論と演習】人事論とリーダーシップ　若林

人事論概要(採用、配置、評価、報酬、能力開発など)と文化論、リーダーシップ論など

7月13日【理論と演習】欧米の経営学説における組織論の紹介と自社及び良し悪し組織の当て嵌め　　若林、日戸、石橋

テーラーに始まる欧米の経営学説における組織論を紹介、導入であげた組織例(自社、良い組織、悪い組織)を当て嵌めて考える

7月20日【理論と演習】東洋の古典における組織人事論の紹介と自社及び良し悪し組織の当て嵌め　若林、石橋

貞観提要や韓非子、六韜三略などに見る組織人事論を紹介、導入であげた組織例に当て嵌めて議論考察

7月27日【理論と演習】理系アプローチによる組織論の紹介と自社及び良し悪し組織の当て嵌め　若林

ネットワーク科学や熱力学、生物学の知見からの組織論を紹介、ネットワーク科学では中心性の概念とリーダーシップ、コミュニティ、熱力学ではルーンショット等。更に、経営重心論での組織文化考察も。導入であげた組織例に当て嵌めて議論考察

8月3日 【理論と演習】ケーススタディと組織人事に関するGPの紹介(ゲストスピーカーを呼ぶ場合もある)　若林、日戸、石橋        

組織人事に関してよく取り上げられるケーススタディ(ディスコWILL、京セラアメーバ、リクルート等）について紹介、議論する。

また、過去、MOTで、組織人事に関するGP、関連する話題として、横グシ組織、R&D組織と適性規模、キャリアパスステージゲート、組織フリクション等を紹介する。

8月10日【演習発表会】発表会　若林、石橋、日戸

自社あるいは他社他組織(人事制度も含め)の組織改善に向けた分析と提案を行うが、併せて、どのアプローチ(欧米、東洋、理系など)を使うか、そのアプローチの評価も含めて、発表する。

若林　秀樹：

NRI（コンサルタント、リサーチャ、アナリスト）、JPモルガン(アナリスト、ＭＤ執行役員）、みずほ証券(アナリスト、E-MD）、ＦＷＩ（ヘッジファンド起業家、CEO,ファンドマネージャー）、アナリストとして、電機業界に関し、日経アナリストランキング１位５回等、ヘッジファンド運用でも年率10%、ソルチノレシオ2以上の実績。NRIや外資で、新規部門立ち上げ、その後、自ら起業し、CEOとしての経験の他、外資100名のリサーチ部門トップとしてマネジメントに関わった。ファンドマネージャーとして、ベンチャーや新技術を目利き、アナリストとして、電機業界やベンチャー。研究所に関し、分析とコンサルティング経験。NPO法人ＥＴＴ委員として、技術のベンチャーや新規事業などＩＮＣＪ案件を技術・事業から評価。イノベーションに関し、内からと外からの両面での経験。内からは、自らの起業や新規事業立ち上げ経験、外から、シンクタンクのリサーチャ、アナリスト、コンサルタント、投資家として評価分析の経験を生かしたい。また、工場見学や研究所見学では1000件以上、経営者とは１万を超える面談から、トップとの深く、かつ若い頃からの長い付き合いや人脈を生かしたゲストスピーカー招聘や、そのリーダーシップや人物論でも貢献できるだろう。

⽯橋 哲：

⽇本⻑期信⽤銀⾏、Citibank、産業再⽣機構を経て、⽇本郵政顧問、東京電⼒福島原⼦⼒発電所事故調査委員会（国会事故調）調査統括補佐（プロジェクトマネジメント統括）、地域経済活性化⽀援機構プロフェッショナル・オフィス・シニアアドバイザー、サイバーセキュリティベンチャー経営、衆議院原子力問題調査特別委員会アドバイザリーボード会員（現）等。2012年から世代を超え社会システムを考える対話活動を主宰。多様な業務・社会経験を通じて、技術経営の社会的意義・倫理的側面を巡る講義を行う。

日戸浩之

野村総合研究所（NRI）でコンサルタントとして企業や様々な組織のビジョン、中期計画の策定、組織の活性化、実行支援などのプロジェクトで活動した実績を生かし、リーダーシップをめぐる議論についての指導を行う。

Satoshi  Ishibashi:

After working for Japan Long Term Credit Bank, Citibank, and Industrial Revitalization Corporation of Japan (IRCJ), he became an advisor to Japan Post; Co-Director of investigation (project management) of the National Diet of Japan Fukushima Nuclear Accident Independent Investigation Commission (NDCI); senior advisor at the Professional Office of the Support Organization for Regional Economic Revitalization (RERE). Since 2012, he has been leading dialogue activities to think about social systems that transcend generations. Through her diverse business and social experiences, she gives lectures on the social significance and ethical aspects of technology management.

Hiroyuki Nitto:

He will guide discussions surrounding leadership based on his experience as a consultant at Nomura Research Institute (NRI), where he worked with companies and various organizations on projects including vision and mid-term plan development, organizational revitalization, and implementation support.