![]() 教員名 : 山本 一樹
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科目名称/Course title(Japanese)
有機合成化学
科目番号/Course number
72CHORC302
科目名称(英語)/Course title(English)
Synthetic Organic Chemistry
授業名称/Class name
有機合成化学
教員名
山本 一樹
Instructor
Kazuki Yamamoto
開講年度学期
2022年度前期
Year/Semester
2022 First Semester
曜日時限
木曜2限
Class hours
Thursday 2nd Period
開講学科/Department
理工学部 先端化学科
Faculty of Science and Technology, Department of Pure and Applied Chemistry 外国語のみの科目(使用言語)/Course in only foreign languages (languages)
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単位/Course credit
2.0単位
授業の主な実施形態/Main class format
対面授業/On-site class
概要/Description
有機化学では標的化合物を合成する際、何を出発原料とし、どのような手順・方法で合成を進めるか、ということが重要な課題となる。本授業では、適切な原料から標的化合物を如何にして合成するかという通常の有機合成法とは逆に、標的化合物内の目的官能基に容易に変換できる等価体(シントン)を考えることにより、標的化合物内の結合をより適切な位置で切断して、容易に入手可能な原料を予想する『逆合成解析』という手法を中心に有機合成の考え方を学び、さらに、実例をもとに標的化合物を如何に選択的・高効率的に、かつ高収率で合成するか、その方法論の組み立て方を理解することが出来る。
目的/Objectives
本授業では、逆合成法(逆合成解析)の考え方とその理論をマスターし、標的化合物を選択的・高効率的に、かつ高収率で合成するための方法論(合成戦略)を理解する。この科目は、本学科のカリキュラムポリシーおよびディプロマポリシーにある「化学分野の専門知識」、および「自ら課題を発見し、解決できる自立的能力」を育むためのものである。
『逆合成』は有機合成を行う際の基本的な考え方であり、将来、有機合成分野に進みたいと考えている者にとって、是非マスターしておきたい重要な方法論である。 到達目標/Outcomes
この授業を履修して単位を取得し、逆合成解析法を理解すると、次のことができる。
1.4年時の卒業研究や大学院の特別研究で必要とされる、有機化学の最先端の研究内容を理解することができる。 2.有機合成の研究計画を自ら立案するための基礎能力を、身につけることができる。 3.有用で複雑な有機化合物の効率的な合成戦略を立案できる。 4.新しい合成等価体(シントン)や新しい反応を開発する能力を身につけることができる。 履修上の注意/Course notes prerequisites
有機化学1, 2および3を履修済であること、もしくは同時履修することが望ましい。
アクティブ・ラーニング科目/Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文/Essay
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小テストの実施/Quiz type test
○
ディベート・ディスカッション/Debate,Discussion
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グループワーク/Group work
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プレゼンテーション/Presentation
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反転授業/Flipped classroom
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その他(自由記述)/Other(Describe)
準備学習・復習/Preparation and review
[準備学習]
各回の授業前にシラバスでその日の授業内容を確認して、2時間程度、教科書、配付資料、および参考書の該当するページをよく読み、配付資料中の演習問題を解いてみること。 [復習] その日に学んだ内容について2時間程度復習し、その内容を説明できるようにすること。このとき、紙と鉛筆を用いて自分自身の手で実際に、電子の流れに注意しながら反応式を書いてみることが大切である。これが有機合成化学を理解するための最善、かつ最短の方法である。 成績評価方法/Performance grading policy
到達度評価試験 80%
小テスト 20% [フィードバックの方法] ・小テストの解説はその都度授業内で行う。これにより理解度のチェックと自己採点を行うことができる。 学修成果の評価/Evaluation of academic achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation 教科書/Textbooks,Readings
教科書の使用有無(有=Y , 無=N)/Textbook used(Y for yes, N for no)
N
MyKiTSのURL(教科書販売サイト)/URL for MyKiTS(textbook sales site)
・教科書を使用する場合は、MyKiTS(教科書販売サイト)から検索・購入可能ですので以下のURLにアクセスしてください。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ ・Search and purchase the necessary textbooks from MyKiTS (textbook sales site) with the link below. https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ 参考書・その他資料/Reference and other materials
参考書・その他資料の使用有無 (有=Y,無=N)
Y
「有機合成の戦略—逆合成のノウハウ」C.L. ウィリス、化学同人
「ウォーレン有機合成: 逆合成からのアプローチ」Stuart Warren著、東京化学同人 「有機合成化学」加藤明良著、朝倉書店 授業計画/Class plan
各回の授業進度はおおよその目安であり、理解の程度などにより変更することがある。準備学習・復習の具体的方法については上記【準備学習・復習】欄に示してある。
1回目 ガイダンスおよび逆合成解析の概説 シラバスをもとに、授業の概要および進め方、成績評価方法などを解説するとともに、配付資料や参考書を示して予習・復習の進め方についても説明する。また、授業の導入部として、逆合成の考え方、重要性について概説する。これにより、逆合成の全体像を把握することができ、その後の学習をスムーズに進めることができる。 2回目 シントン(Synthon)と合成等価体 シントンと合成等価体の関係、アクセプターシントン(a-synthon)およびドナーシントン(d-synthon)などについて学ぶ。このことにより逆合成におけるその重要性が認識でき、例題を通してその応用方法が理解できる。 3回目 潜在極性と極性変換(Dipole Inversion, Umpolung)) 有機分子中の官能基がもつ潜在的極性と、複数の官能基をもつ有機分子における潜在極性の調和と不一致について学ぶ。d1→ a1, a2→ d4, a1→ a3などの極性変換は、逆合成、特に多官能性有機化合物の逆合成において、非常に有用な手段となり得ることを理解できる。 4回目 逆合成解析法の用語 逆合成解析に必要な用語とその使用例を学ぶことにより、Discon, Conn, FGI, FGA, FGRなどの手法を理解できる。 5回目 逆合成の合成戦略・選択性 逆合成解析を行うにあたり必要となる位置選択性、官能基選択性(化学選択性)について学ぶことにより、これらの選択性における規則を理解できる。 6回目 逆合成の実際 一段グレードアップした逆合成解析について学ぶことにより、立体選択性やエナンチオ選択性についても理解することができる。 7回目 環化反応と環開裂反応 逆合成解析の演習問題を通して、環化反応の規則(Baldwin則)、環拡大・縮小反応について理解することができる。 8回目 標的化合物の逆合成 簡単な標的化合物を例にして位置選択性、官能基選択性(化学選択性)に関する演習を行うことにより、具体的な逆合成解析法を理解できる。そして、同時に到達目標の達成度を確認することができる。 9回目 逆合成解析の実施例(1) 逆合成解析の結果、複数のルートが考えられるとき、その中には実現不可能なものもある。ここでは実現可能な合成ルートと上述の各種選択性の考え方について、具体的に学習・理解することができる。 10回目 逆合成解析の実施例(2) 多くの脂肪族及び芳香族化合物の逆合成解析法を学ぶことにより、理解を深めることができる。 11回目 有機合成反応のメカニズム 標的化合物の生成メカニズムについて学ぶことにより、逆合成についていっそう理解を深めることができる。 12回目 簡単な標的化合物の逆合成;基礎演習 逆合成について一通り学んだ後、3〜4ステップよりなる簡単な合成反応に関する演習問題を解くことにより、逆合成解析法についてさらに理解を深めることができ、加えて到達目標の達成度を再確認することができる。 13回目 逆合成解析応用演習 複雑な標的化合物を例に、逆合成解析演習を行う。紙と鉛筆を用いて自ら考えることにより合成戦略の立て方を習得できる。 14回目 コンピュータを用いた逆反応解析 コンピューターを用いた逆合成におけるルートの探索について解説する。 15回目 到達度評価 本授業の「到達目標」の達成度を到達度評価試験により確認する。その後、本授業科目の内容を授業で総括する。 教職課程/Teacher-training course
実務経験/Practical experience
教育用ソフトウェア/Educational software
備考/Remarks
授業コード
9972581
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